†　その瞳に吸い寄せられそうで　†










｢こんばんは、さん｣


｢やぁ、姫君｣


｢やっぱり、一番は朱雀の二人だね｣


｢おや、これも君の予想の範囲でしたか｣


｢お前も俺に逢いたいと思っていてくれたのかな？｣




私がさっき言ったのは突拍子もないこと。

鎌倉に攻め入るということ。

だから、少なからず誰かは私のところに一度は来ると思っていた。

で、かなりの可能性が感じられたのはこの朱雀の二人。




｢うーん・・・一応予想通りということにしておく｣



｢｢・・・・・・｣｣




｢さ、質問があればどーぞ？何でも受け付けますよー｣


｢本気で言っているんでしょうね、君は｣


｢鎌倉侵略？｣


｢えぇ・・・｣


｢もちろん本気｣


｢・・・・・・｣


｢でも姫君。簡単には行かないと思うよ｣


｢うん、それも一応承知の上｣


｢へぇ・・・じゃあお前の作戦を聞かせてもらおうかな？｣


｢作戦なんて大層なものはないよ｣



｢｢・・・・・・｣｣



｢鎌倉殿に逢って、話をして・・・和議を結ぶ。それだけ｣


｢お前は本当に大胆なことを言うね｣


｢大胆かな？今回は結構普通のことを言っているつもりだけど・・・｣




逢って、話をして和議を結ぶ・・・だし。

力尽くでとか言ってないし。




｢問題がまだあるだろう？｣


｢ん？問題？｣


｢鎌倉殿に憑く神の力・・・｣


｢あー荼吉尼天ね。寧ろ荼吉尼天の力を利用する方向でお願いします｣


｢利用・・・ですか｣


｢そう、こっちが鎌倉に攻め入ったとなれば来てくれるでしょう？荼吉尼天サン｣


｢えぇ、恐らく・・・｣


｢だから、荼吉尼天をどうにかして・・・荼吉尼天が憑いている政子さんを人質に和議を結ぶ｣


｢やっぱりお前は最強の女だよ｣


｢本当に・・・｣


｢やっぱり政子さん人質にって言うのは拙い？｣


｢いいえ、それが一番の策でしょうね｣


｢頼朝も政子さんを愛しちゃってるんだよねー｣




ラブラブなカップルだよね。

頼朝、ある意味二股だけど。

だって政子さんと荼吉尼天。




｢ヒノエ、君はどうするつもりですか？｣


｢俺？さぁ・・・ね｣


｢・・・・・・｣


｢俺の答えは明朝でいいだろ？｣


｢うん、もちろん。弁慶も明朝でいいからね｣


｢えぇ・・・わかりました｣


｢ねぇ、もしも誰も来なかったらどうするんだい？｣


｢そうだねぇ・・・その時はその時。一人で鎌倉侵略かもねー｣


｢流石は俺の見込んだ姫君だね｣










†　その瞳に吸い寄せられそうで　†

(まぁ一人で鎌倉侵略なんてしたくないっていうのが本音なんだけどね。)

SEO		[PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送