† あなたに出会ったのは桜の下だった †










「銀!!」




様の声が聞こえると思えば・・・

共に落ちる様の姿があった。




「大丈夫、絶対に助けるから!」




その言葉を聞いた後、光に包まれる感覚。

あたり一面が雪の白さではない白さ。

眩しすぎるほどの光の白さ・・・だったのでしょうね。




















◇◇◇





















「ん・・・」


「あっ起きた?」


様・・・」


「案外大丈夫なものだね、崖から落ちても」




あたりを見渡せば其処は高館の近く。

あの崖からは幾分かの場所。




様・・・何故・・・」


「その何故って言葉はどうしてここにいるかってこと?」


「えぇ、それもですが・・・何故、・・・」


「一緒に崖から落ちたか、かな?」


「・・・はい」


「じゃあまず最初の質問ね。うーん・・・実は私もよくわからないけど万物の力発動かな?」


「・・・・・・」


「二つ目はね、あなたを死なせたくなかったからかな」




でも、万物の力がなかったら二人とも死んじゃってたかもね、

なんて言いながら様は笑った。




「あのね、あなたは死んじゃダメだよ」


「しかし・・・」


「死んじゃダメ」


「・・・・・・私は穢れているのです」




私の魂には呪詛が刻まれている。

不浄な者。

清らかな気を持つ様にとっては・・・・・・

近づくことさえ許されぬ存在。




「違うよ、あなたは穢れてなんていない」


「・・・・・・」


「大丈夫だよ、あなたはちゃんと綺麗だよ」


・・・様・・・」


「銀、大丈夫。絶対に大丈夫だよ」


「私の桜月の君・・・」


「全部、ちゃんと綺麗だよ」




微笑む様。

私を包むあたたかく優しい光。

その光に浄化される、私の魂。




様・・・私は・・・」


「もう大丈夫。わかるでしょう?」


「・・・・・・はい」


「うん、やっぱり銀は綺麗だね」


「いいえ、綺麗なのはあなたです」


「え?」


「あなたが何よりも美しい」


「・・・・・・」


様、私の桜月の君・・・あなたが何よりも愛しいのです」


「もう・・・銀ってば・・・ストレート度が増してるよ」




私のこの体は様に浄化され、そして・・・

助けられた。










† あなたに出会ったのは桜の下だった †

(私の桜月の君、私の愛しい姫君。それはあなたです。)



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