† 手紙を書きます。貴方の心へ †
「とりあえずー鎌倉侵略考えなくちゃ」
よし、決定。
荼吉尼天もどうにかしなくちゃいけないし・・・
「クッ・・・前向きにお考えのようだな・・・」
「まぁね」
でも、まだこっちでしなくちゃいけないこともいっぱいあるし・・・
銀の呪詛。
あー・・・泰衡が御館を亡き者にしようとする計画もだね。
その他諸々。
「でも、鎌倉には行くよ。平泉を滅ぼさせるわけにも行かないし」
さて、どうしよう。
別に突然行って・・・でもいいけど・・・
ここはひとつ、書状でも送ってから行くべきかな・・・?
まぁ書状を送っても、送らなくても荼吉尼天がいる限り変わらないけど。
「あっ景時に書状送ろう」
景時には知らせておくほうがいいよね。
景時から鎌倉殿や政子さんに伝わってもいいし。
「・・・また俺が書くのか・・・?」
「もちろん。知盛は私の従者でしょ?」
「あぁ・・・だが、従者が主に牙を剥けることもあるんだぜ・・・?」
「あーご自由に。別に牙を剥けてもいいよ」
「・・・なんだと?」
「知盛が私と戦いたいというなら戦うし。でも・・・殺したくはないから」
幾ら剣を交えても・・・
とりあえず、死を選びたくはない。
知盛を殺したくもないし・・・
知盛に殺されたくもないし・・・
「お前等物騒な話するなよな・・・」
「だって知盛が変なこと言うんだもん」
「煽るお前も悪い」
「えぇー私も悪いのー?」
「まぁいっか。とりあえずどうするんだ?」
「んー・・・問題片付けてからにする」
銀の呪詛だね、まずは。
望美ちゃんが苦しんでる姿、見たくないし。
でも、そのときに政子が現れたらどうしょう・・・?
いっそ・・・泰衡と組んで・・・
「ちゃんと機会見て話するから」
こればっかりはタイミング勝負だし。
一応は運命を知っている私が頑張らなくちゃね。
最も・・・運命が変わり過ぎているから自信がないと言えばないけど。
それでも・・・
「とりあえず、景時に文を書いてね」
「なんて書くんだ?」
「うーん・・・もうちょっとしてから鎌倉攻めようと思います?」
「「・・・・・・」」
「そこ、無言になるとこじゃないでしょ」
どうせ、幾ら取り繕っても荼吉尼天にはバレる。
それなら真っ直ぐ直球勝負でしょ。
どうなるかなんてわからない。
でも、出来る限りの悪足掻きはしたいから・・・
† 手紙を書きます。貴方の心へ †
(ほら、隠してもばれるなら隠さずに行くほうが潔くていいでしょ?)
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