† もうとっくに捕らわてる †
「クッ・・・」
「なに笑ってるのよ」
「内容があまりに可笑しくて・・・な」
「じゃあ早く読んでよ」
急かす。
焦らす知盛。
全く正反対だなぁ・・・こいつ等。
「鎌倉殿はただ・・・お前がほしいだけみたいだぜ」
「「はぁ?」」
・・・・・・既婚者だよな、頼朝って。
政子がいるじゃねぇか、北条政子が。
「つまり・・・鎌倉殿の思惑疑惑なし?」
「とりあえず、ここに書いてはいないようだぜ・・・」
「うわぁ・・・微妙なことしてくれるじゃん」
「どーするんだ?」
「ん・・・微妙。微妙すぎる」
「楽しい宴を開いてくれるのではなかったのか・・・?」
「うーん・・・微妙すぎてなんとも言えない」
「知盛、それ貸せよ」
「あぁ・・・」
「・・・・・・なんだよ、これ」
「将臣も読めるんだねぇーすごいすごい」
「そんな呑気なこと言ってる場合じゃねぇぞ!」
「え?」
「ったく・・・知盛、お前言葉足りなすぎ」
「なんて書いてるの?」
「お前が鎌倉に来ない限り・・・この平泉を滅ぼすんだと」
「マジ?」
「あぁ・・・多分、マジだ」
頼朝がここで嘘をつくとも思えねぇし・・・
何故、がほしいのかはわらんねぇけど。
「じゃあ、行かなくちゃね」
「クッ・・・やはり宴を開くか?」
「・・・嬉しそうね、知盛」
「嬉しい・・・?あぁ、嬉しいな」
「でもまだいっぱい問題はあるんだよねぇ・・・」
「問題?」
「そう、問題。某兄弟と、泰衡と、鎌倉・・・あと、九郎とかその他いっぱい」
泰衡はわかる。
鎌倉も九郎も・・・まぁその他いっぱいって言うのも。
でも・・・某兄弟って何だ?
「・・・別に、某兄弟はどうでもいいだろ・・・」
「よくない。全く・・・兄弟似てるのは顔だけ?」
「・・・・・・なぁ」
「ん?将臣?質問?」
「某兄弟って・・・コイツと銀って奴か・・・?」
「「今さら?(だな)」」
・・・・・・こいつ等・・・!!!
見事にハモリやがって!
って言うか、!
お前が機会があったらとか言ったんだろーが!!
「将臣逢ったことないの?平重衡」
「平重衡・・・?あーあんま会話したことねぇな・・・」
「とりあえず、兄弟なの。OK?」
「あぁ、OKだ」
「あっ一応、まだ内緒にしててね」
「望美たちにか?」
「そう、知らないから」
「銀は知ってるのかよ?」
「知らないよ。知ってたら苦労しません」
† もうとっくに捕らわてる †
(あーこいつ等のペースって疲れるんだ。だけど・・・嫌いじゃないんだよなぁ。)
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