† 平和を望むから戦うのです †
「はぁ・・・さっぱりだわ」
鎌倉殿に知盛が手紙を書いて・・・早くも返事が来た。
でも、やっぱり読めません。
誰か、って言うか景時!
私が読めないこと知ってるんだから訳して持ってきてよ・・・!!
「・・・ここは従者に読ませよう」
知盛なら私の素性知ってるし。
多分、頼朝が何と言ってきても興味ないだろうし。
◇◇◇
「知盛ーいる?」
「・・・・・・」
前回同様、カナリ不機嫌なご様子で。
あっ将臣もいる。
「そう不機嫌にならないでよ」
「はは、コイツ今起きたんだよ」
「遅起きだねー知盛」
あ、そういえば・・・今日起こしにいくの忘れてた。
私の日課なんだけどねぇ・・・
っていうか、普通従者が主人を起こしに来るんじゃないのー?!
「で、どーしたんだ?」
「うん、これ読んで」
「なんだぁ?恋文か?」
「恋文ではないよ、既婚者からの文だし」
「・・・鎌倉からか」
「その通り」
「鎌倉だぁ?!」
「そう、鎌倉殿からのお手紙だよー」
「「・・・・・・」」
「・・・俺たちが読んでいいのかよ?」
「別にいいんじゃない?って言うか、私読めないから読んでほしいの」
「とりあえず、知盛。読め」
「・・・兄上が読めばいいだろ・・・」
「従者が読むべきだろ、ここは」
「将臣に賛成ー」
「・・・・・・」
あっまた不機嫌不機嫌不機嫌って顔してる。
ここはひとつ・・・!
物で釣ってみようかと思います。
「鎌倉殿の返答次第で・・・知盛を宴に招待してあげる」
「宴・・・だと?」
「そう、鎌倉へ攻め入るという宴をね・・・」
「ほう・・・それは楽しめそうだな」
「本気かよ・・・」
「本気、本気」
鎌倉殿の返答次第では鎌倉侵略も考えなくちゃいけない。
だって、平泉も大切な場所だもの。
戦うことがなければそれに越したことはない。
だけど、もしもダメなときは・・・
体当り戦。
って言うか、面と向かって話し合い希望。
「だからとりあえず、読んで」
「・・・・・・御意」
よし、その気になったみたいだね。
やっぱり戦好きには戦で釣るしかないよね。
でも・・・知盛に人を殺めさせる気はないよ。
もちろん他のみんなにも・・・
無謀かもしれないけど・・・基本は話し合いの体勢で。
† 平和を望むから戦うのです †
(きっと話し合いなんて甘い考え通用しないんだろうなぁーうん。)
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