† 俺は、ここに居てはいけない存在だから †
「・・・景時?」
「・・・・・・ちゃん・・・」
「夢で逢うなんて初めてだね」
「・・・そうだね」
ねぇ、君はどうして笑っているのかな?
どうして俺に笑いかけてくれるのかな?
「逢えて嬉しいよ」
「・・・・・・」
「景時は?私に逢えて嬉しい?」
俺は・・・本当のことを言ってもいいのだろうか。
俺は君をきっと・・・傷つけてしまったから・・・
「嬉しくない?」
「・・・嬉しいよ、すごく嬉しいよ」
「そっか、よかった。もし嬉しくないって言われちゃったら夢から出て行かなくちゃいけなくなっちゃう」
何て言いながら君はまた笑う。
本当のことを言ってしまった俺に・・・笑顔を向けてくれる。
「みんな心配してるよ、景時のこと」
「ちゃん・・・」
「ごめんね、言っちゃいけないこと言っちゃったね」
「・・・・・・」
「あのね、景時が決めた道だから否定したくないよ」
「ちゃん・・・」
「私ね、こうなることわかってたし・・・これから大変だよね、鎌倉と奥州の戦い」
「そう・・・だね」
「景時、いつでも帰ってきていいんだよ?」
「・・・俺にはその資格ないよ」
八葉の証も・・・
黒龍の神子の兄である証もなくなってしまったから。
「資格なんているの?」
「・・・・・・」
「じゃあ私はどうなっちゃうのかなぁ?資格なんて持ってないよ?八葉でも神子でもないし」
「ちゃんは十分資格を持っているよ」
みんなを想っている。
みんなのことを考えてる。
本当に・・・君は凄い子だと思うよ。
「え?」
「ちゃんは今のままで十分」
「・・・なんか励ますつもりが励まされちゃった?」
「・・・俺も十分励まされたよ、ありがとう」
ちゃんを見ているだけで元気になれる気がする。
君は・・・本当に優しい心を持っているから・・・
「・・・そろそろ、現実に帰る時間みたいだね」
「そうだね」
「ちゃん、ありがとうね」
「ううん、私こそ・・・ありがとう」
「・・・ひとつだけ教えてあげるよ」
「え?」
「頼朝様はちゃんのことも狙ってるよ」
「どうして私?」
「ちゃんがすごい女の子だから・・・かな。・・・多分、書状が届くはずだよ」
「うわぁ・・・また草書体?読めないよ」
「・・・秀衡様の元に届くと思うからあの人に読んでもらうといいよ」
「そっか、じゃあそうするー色々とありがとうね」
† 俺は、ここに居てはいけない存在だから †
(ごめんね、ちゃん。)
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