† 君という宝石の前じゃどんな宝石も色あせて見える †
「ふふ、誰だ?」
突然、目の前が真っ暗になる。
調子が悪いわけじゃない。
誰かの手によって視界を遮られたから・・・
最も、誰か、何て決まっているけど。
「ヒノエ」
「即答とは嬉しいね」
だって・・・このパターンゲームで見たし・・・
声がヒノエなんだもん。
「熊野は?」
「一応片付けてきたよ」
「そっか・・・大丈夫そう?」
「お前が心配することはないよ、安心しな」
「うん、それなら・・・よかった」
「それよりも・・・知らない顔が増えてるんだけど?」
「あー銀、おいでおいで」
「はい、様」
「アンタ誰?」
「銀でございます、ヒノエ様」
「ふーん・・・で、アンタはこの姫君の何?」
「私は様をお守りするとお約束させていただきました身でございます」
「へぇ・・・俺のいない間に色々あったんだね」
「色々あったよーうん、大変だったかな?」
「じゃあこれからは俺も姫君を守る従者に加えていただけますか?」
「ヒノエは望美ちゃんの八葉でしょうが」
「やっぱり手強いな、」
「望美ちゃんね、最近調子悪いみたいなの」
「望美が?」
「そう、平泉の龍脈が穢されているから・・・」
「あぁ・・・なるほどね」
最も、呪詛の種が近くにいるというのもあるだろうけど・・・
それだけじゃない。
八葉が欠けているというのも重要な問題・・・
地の白虎の宝珠は望美ちゃんが持っているから。
「お前がそんな顔しないで、お前は笑っていなよ」
「ヒノエ・・・?」
「お前の笑顔は何よりの宝だからね」
「・・・何それ・・・」
「とりあえず、お前は笑っていな」
「うん・・・」
笑う門には福来るって言うし。
笑える時に笑っていたほうが絶対にいいんだよね。
「ついでにひとついいかな?」
「ん?なぁに?」
「お前のその可愛い耳を貸して?」
ヒノエに耳を傾ければ耳元で囁かれるのは・・・
「銀って男・・・手強そうだね」
・・・という言葉。
「・・・何それ」
私にいう意味ある?
そりゃ・・・ある意味銀はヒノエよりも強いかもしれないねぇ・・・
ゲームでも優勢っぽかったし。
「でも俺はアンタにも負けるつもりないよ?銀」
「はい、ヒノエ様。私も負けるつもりはございません」
† 君という宝石の前じゃどんな宝石も色あせて見える †
(でもどっちもどっちだよねー。どっちも甘い言葉で女性を誘惑するタイプ!!)
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