† だって、とても幸せだから †










「あっ敦盛だー」


殿・・・」


「それ、経正からの手紙?」


「あぁ・・・」




将臣殿から兄上からの文を頂いた。




「そっか・・・何て書いてあったのか聞いていい?」


「兄上は私が無事でよかったと言って下さった」


「うんうん、そうだろうねぇ・・・経正も敦盛のことすごく心配してたし」


「これからも自分の決めた道を進むようにと・・・」


「よかったね、やっぱり経正は敦盛のことすごくよくわかっているね」


「あぁ・・・」




殿の言うとおりだ・・・

兄上は私のことをわかってくださっている。




殿」


「ん?」


「ありがとう」


「え?」


「・・・その、兄上に私の無事を伝えてくださって・・・」


「あっ気にしなくていいよー私も経正に逢えてよかったし」


「兄上も殿に感謝しているそうです」


「私に?」


「・・・はい」


「感謝してもらえるようなことしてないんだけどねぇ・・・」


「・・・・・・」


「でも、ありがとうの言葉は嬉しいから受けとっておくね」


「あぁ」




私は殿に感謝しても仕切れない、きっと・・・

殿がいなくては・・・

私はこの場にいることさえできなかったのかもしれない。

それは皆にとっても同じことで・・・




殿」


「んー?」


「あなたがいてくださって本当によかった・・・」


「私が?」


「あぁ、殿がいてくださらなかったら・・・どうなっていたか想像もつかない」


「私がいなかったら・・・いなくてもきっとこの運命だったかな?」


「え?」


「私がやっていることは単なる悪足掻きに過ぎないのかもしれない」


「・・・・・・」


「それでも諦めたくない・・・かな」




諦めたくないという殿の瞳は強くて・・・

その瞳に捕らえられる。




「悪足掻きでも・・・いいと思う」


「・・・え?」


殿は運命をよい方向に進めることができると思います・・・」


「そう・・・かな?」


「はい」


「ありがとう、そんな風に言ってもらえてすごく嬉しい・・・」


「私にできることがあれば言って欲しい」




あなたの力になれるのならばなりたい・・・

そして・・・あなたを守りたい。




「うん、ありがとう」










† だって、とても幸せだから †

(私にもあなたを守らせて欲しい。)



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