† あの日の約束を覚えてる? †
「・・・・・・うわぁ、本当に弾けるんだ・・・」
「アイツ何者だよ・・・」
流石は貴族様。
見事に琴を弾いてやがる・・・初めて見たぜ。
「でも意外だよねぇー知盛が琴なんて」
「あぁ、戦しか興味ない奴だと思ってたんだけどな・・・」
あと、くらいかアイツが興味があるのは。
「さすが新中納言だねー」
「だな」
「あっそうだ、経正に言っておいたから」
「敦盛のことか?」
「うん、無事だよーって」
「そっか、サンキュ」
「やっぱり貴族って何でも出来ちゃうものなのかなー?」
「俺はさっぱりだけどな」
「還内府だもんねー」
「まぁ、平重盛なんて俺全然しらねぇーんだけどな」
知っているのは小松内府だったってことと清盛の嫡男だったってことくらいだ。
自分と似ているかなんてさっぱりわかんねぇ。
「別に気にすることないと思うよー将臣は将臣でOK」
「サンキューな」
「多分ね、重盛と将臣・・・平家のことちゃんと考えてるってことは変わらないよ」
「・・・・・・」
「だから自信持って頑張ってね」
「あぁ・・・」
「クッ・・・妬けるな・・・重盛兄上」
「知盛ー」
「折角姫君のために楽を奏でたのだがその姫君は別の男に夢中、か・・・?」
「ごめん、ちょっと将臣と話し込んじゃった。でも・・・ちゃんと聴いてたよ」
「ほう・・・」
「怒ってる?」
「・・・・・・別に・・・」
あー怒ってるな完璧。
っていうか拗ねてる?
ははっ何かわかりやすい奴になったなぁ・・・
「もう、怒らないの!お願い聞いてあげるからね?」
「そういえば前にもそんなこと言ってたよなぁ?」
「あー言ったねぇあの時でしょ、知盛に舞ってもらった時」
「あぁ・・・」
「じゃあふたつだね、お願い事ありますか?」
「・・・では・・・舞って頂こうか」
「マジ?」
「あぁ・・・お前の舞が観たい」
「平家に白拍子なんていっぱいいるでしょー。見飽きてるんじゃないのー?」
「お前の舞が観たい・・・ただそれだけさ」
「うぅ・・・自信ないのにーしかも、もしかしてあの舞台で舞えと言ってるの?」
「当然だ」
「意地悪だー!!」
「意地悪で結構」
「知盛、お前も一緒に舞ってやれよ」
「将臣!いいこと言うー!!!」
「・・・面倒だ」
「じゃあ舞わないー!」
さぁ知盛、どう出る?
俺的にはやっぱり味方するなら・・・なんだよな。
「・・・仕方がないな」
やっぱりには弱いのか・・・
あの平知盛がねぇ・・・笑えるぜ。
でも、コイツにもこんな時間が必要なんだろうな・・・きっと。
◇◇◇
「殿・・・綺麗だな・・・」
「ん?帝もやっぱそう思うか」
「うむ!素晴らしいのだ!」
やっぱりに弱い知盛も壇上で舞うことになって・・・
喋る相手がいなくなったと思えば帝が隣に来る。
「殿は優しい方であるな・・・」
「あぁ・・・そうだな」
確かにアイツは優しい。
この前の怨霊に対しても・・・天に帰す、浄化の力。
「殿の手はあたたかかった・・・」
「そっか、よかったな」
俺たちは怨霊を使っている。
それもコイツは知ってるんだろうな・・・
それなのに変わらず俺たちに接してくる。
「あー将臣ズルイー!!私は頑張って舞ってるのに!!」
「ははっ悪い悪い、ちゃんと観てるぜ?」
「・・・、もうひとさし」
「嫌」
「クッ・・・つれないな」
「もういやー疲れたもん」
「・・・・・・」
「殿!素晴らしい舞であった!!」
「ありがとう、帝。はいっ誉めてくれたお礼です」
「まだ持ってたのかよ・・・」
の手には前みたいなチュッパチャップス。
飴って賞味期限あってないようなもんだしな・・・
っていうか、何個持ってるんだよ。
「ポケットにいっぱい入ってたんだよねー」
「お前何者?」
「」
「その返答には聞き飽きた」
「うーん・・・じゃあ飴をいっぱい持ってるお姉ちゃん?」
「そりゃいいな、俺にもくれよ」
「ん、はい」
「サンキュ。」
「知盛もいるー?」
「・・・あぁ、頂こう」
マジで・・・?
知盛がチュッパチャップスだぁ?
うわぁ・・・普通にありえねぇ・・・
「甘くて美味しいでしょー?」
「・・・・・・」
無反応だし。
何か面白いな知盛・・・
っていうか顔中不機嫌あらわしてますって感じだよな。
「酒を用意しろ」
「ははっ逃げるのか?」
「逃げる・・・だと?」
「飴の甘さに耐えられないんだろ?」
「・・・・・・酒はいらん」
「無理するなよー」
「無理などしていないさ・・・」
知盛って実は負けず嫌いだったりするのか?
意外だなぁ・・・
と出逢ってからコイツも変わったってことか・・・わかりやすい奴・・・
† あの日の約束を覚えてる? †
(しっかし、俺たちマジでのペースに巻き込まれてるよな・・・)
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