†　永遠などありえないことは知っている。だがせめてこの平和が一日でも長くありますようにと　†










｢なかなか見つからないねぇー？｣


｢うむ・・・｣




あーっ！！そんなに不安そうな顔しないで！！

っていうか、知盛とか将臣とかどこにいるのよー！




｢やはり鬼ごっこがいけないのだろうか・・・｣


｢うーん・・・鬼ごっこがいけないというよりも寧ろ、誰も出てきてくれないのがダメだね｣




みんな宴の準備で忙しいのか、走り回っている。

流石に十二単な女房さんたちは誘えないし。




｢何やってるんだぁ？｣


｢あっ将臣｣


｢還内府殿！！｣


｢やっと出てきてくれたー｣


｢俺を捜してたのか？悪ぃ｣


｢還内府殿！鬼ごっこをしようぞ！｣


｢はぁ？鬼ごっこだぁ？｣


｢・・・い、いけないだろうか｣


｢あーいや、いいんじゃねぇ？｣


｢知盛は？｣


｢アイツならその辺にいるだろ｣


｢お呼びですか？重盛兄上？｣


｢な？｣


｢知盛殿！｣


｢帝、如何なさいましたか？｣


｢鬼ごっこをしようぞ！｣


｢・・・・・・｣




ちょっと待って、知盛が鬼ごっこを知っているのか・・・自信がなくなってきた。

だって知盛だし？

昔から貴族様だし？

鬼ごっこなんて・・・する？




｢ねぇー知盛、鬼ごっこって知ってるー？｣


｢・・・知らん｣


｢やっぱり｣


｢じゃあとりあえず、知盛お前が鬼な｣


｢鬼？｣


｢そうだ、帝かか俺を捕まえればいい｣


｢クッ・・・捕まえるだけの遊びか？｣


｢あぁ、そうだ。簡単だろ？｣


｢知盛殿も遊んでくれるのか？｣


｢えぇ・・・お遊びいたしましょう｣


｢よし、じゃあ帝逃げようー！｣


｢うむ！｣




やっぱりここは別々に逃げなくちゃだよね？

っていうか、私一番不利じゃない？

このお邸の地理全く不明なんですけど・・・？




















◇◇◇





















｢お邪魔しまーす。ちょっと隠れさせてください｣


｢あなたは・・・｣


｢あっ！！経正！！｣


｢還内府殿と知盛殿がお連れした方ですか？｣


｢はい！連れて来てもらったです｣


｢殿ですか・・・｣


｢よかったぁ逢えて｣


｢え・・・？｣


｢あなたの弟さんの敦盛からの伝言です｣


｢敦盛は無事なのですか？！｣


｢はい、無事です。ただし・・・共にいるのは源氏の者たちです｣


｢そう・・・ですか｣


｢でも無事なんです。私はそれを伝えて欲しいと頼まれました｣


｢・・・ありがとうございます｣


｢あっ敦盛が一緒にいるのが源氏の者たちとということは黙っていてくださいね？｣


｢わかりました｣


｢経正殿、失礼する｣


｢知盛殿｣


｢・・・まさか知盛まだ鬼だったりする？｣


｢あぁ・・・捕まえたぜ｣




知盛に後ろから抱きしめられた状態。




｢あっちゃー捕まっちゃった｣










†　永遠などありえないことは知っている。だがせめてこの平和が一日でも長くありますようにと　†

(まぁいっか。敦盛のお願いも伝えれたし、私的に満足！)

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