† 常に自分の信じた道を進もう †










「望美ちゃん、私は将臣に逢って来るね」


「将臣くんに?」


「うん、勝浦にいるって言ってたでしょう?」


「あっそっか」


「ついでに熊野川のあの怨霊さん何とかして来るよ」


「えぇ?!」


「私に任せてくれないかな?」


さん・・・」


「絶対に何とかするって約束するから」


「・・・・・・」


「ね?お願い」


「・・・うん、わかった。さんなら何とかしてくれるような気がするから・・・お願いします」


「ありがとう」




必ず、あの怨霊は何とかするから・・・

還内府と新中納言と私で・・・




















◇◇◇





















「あれー?いない・・・?」




勝浦に来たら逢えると思ってたのに・・・

探し回っても見つからない二人。

そういえば・・・知盛は昼間動かないとか言ってたような。




「しかもどんどん空が澱んで来るし・・・」




あーあーこれは一雨来ちゃうな、絶対。

宿までここから遠いし・・・




「あー降ってきた」




とりあえず、木の下に雨宿り決定。

ん・・・?

あ、そういえば・・・この展開って・・・

どこかで見たことあるような・・・?




「クッ、こんなところで逢うとはな・・・」


「やっぱり、知盛!」


「還内府殿がやけに機嫌がよかったのは・・・こういうことか」


「将臣はー?」


「還内府殿なら宿にいるはずだが?」


「嘘、さっきはいなかったのにー」


「では、どこかに行ってたのではないのか?」


「うわぁー見事にすれ違いー?」




やっぱり携帯もないこの時代に人と逢うのは難しいんだね・・・

運命に頼るしかない・・・か。




「・・・妬けるな」


「え?」


「お前から紡がれるのは重盛兄上の名ばかり・・・」


「知盛・・・」


「何だ?」


「言ってる意味がイマイチわかんない。知盛の名前だって呼んでるじゃん」


「・・・手強いな・・・」


「あっ雨が上がったよ」


「あぁ・・・そうだな」


「もう、何でそんなに不機嫌かなー?」


「さぁな、どこかのお嬢さんのせいさ」


「ん?お嬢さん・・・?」


「そう・・・何度も俺の前に現れる・・・お嬢さんさ」


「それってもしかして・・・私だったりしないよね?」


「クッ・・・どうだろうな・・・」


「まぁいいや。それより、雨も上がったし帰っちゃうの?」


「あぁ・・・還内府殿がお待ちだろうからな」


「じゃあ私も一緒に行ってもいい?」


「・・・・・・」


「ダメー?」


「構わないぜ・・・兄上も喜ぶだろうからな」


「あっ言わないでね?」


「・・・何をだ?」


「源氏のこと」


「・・・まだ気付いていないのか、還内府殿は」


「うん、全く。ちなみに源氏も気付いてないからねー弁慶は気付いてるっぽいけど」


「・・・そうか、流石だな軍師殿は」


「そう怖いよー」


「・・・・・・」


「あっそれと三つほどお願い聞いて欲しいな」


「三つとは・・・多いな」


「えーこれでも絞ったんだよ」


「ほう・・・では聞かせてもらうおうか?」


「一つ目は私に舞を教えて」


「舞?」


「うん、できるでしょう?」


「嗜み程度には・・・」


「二つ目は剣を教えて」


「剣だと?」


「そう、剣」


「何故だ?」


「当然、知盛と戦うためだよー」


「クッ可笑しな女だな・・・」


「最後、三つ目は後白河院の傍にいる怨霊をどうにかするのを手伝って」


「院に怨霊だと?」


「そう、女房に化けてねー」


「気付いていらっしゃらないのか?」


「うん、全くーあの人も鈍感だねー」


「・・・・・・」


「で、どうですか?」


「別に構わないぜ・・・」


「え?全部OK?」


「あぁ・・・OKだ」


「うわぁー流石知盛、OK通じるんだ」


「還内府殿が口にしていたからな・・・」


「じゃあまずは舞からねー」


「院は後回しなのか?」


「だってー手出ししようとしてるわけじゃなさそうだもん」




怨霊さんも院に手はまだ出していないようだし。

尚且つ、多分大丈夫なような気がするし!

後白河院あんまり好きじゃないもんー。




「とりあえず・・・まずは舞!舞がいい!」


「クッ・・・いいぜ、手取り足取り教えてやる」


「優しいねー一回見ただけで終わりって言われちゃうかと思っちゃった」




ゲームでは望美ちゃんにそんな感じだったし。

でも教えてくれるんだー。




「あっ言っておくけど、私、覚え悪いかもしれないよー?」




舞なんてやったことないけど。

でも、一日で覚えれるかも自信ないし・・・

でもでもどうしても覚えたい。




「別に構わないさ・・・時間はあるのだろう?」


「うん!」










† 常に自分の信じた道を進もう †

(よし、これでなんとかなる!てか、私ってば自分の欲望に忠実すぎるかも!)



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