† ぐるぐる回る運命は、私を乗せて回り続ける †










ちゃん・・・ちょっといいかな?」


「ん?どうしたのー?」


「・・・これ、見てくれる?」


「はーい」




景時に渡された紙を見てみるとそこには・・・

とーっても見事な草書体の文字。




「景時」


「ん?読み終わった・・・?」


「全く読めない」


「あっそっか、ごめんごめん」


「読んでくれる?」


「うん、そうだね。俺が読むよ」




どうしたんだろ・・・

景時、何か変。

いったいこの紙には何が書かれているのか。

景時をこんな雰囲気にさせるのは一人しか思いつかない。

けど、まさかねぇ?




「これはね、鎌倉殿からの書状なんだ」


「えぇ?!」




鎌倉殿=源頼朝?!

やっぱり頼朝からの書状?!




「あっちゃん宛なんだよ」




・・・・・・私宛?!

ちょっと待って・・・!!

私ってばあの有名な源頼朝に書状もらっちゃってるの?!




「えっとね・・・鎌倉に来るようにって言われてるんだ」


「私が?」


「そう、しかも呼ばれてるのはちゃんだけ」




・・・・・・鎌倉、平家の暗躍って展開ではないよね?!

だってまだ三草山が終わったところだよ?!

熊野参詣にも行ってないのにー!!

そんな展開になったら私が困る、非常に困る。

熊野ではやらないといけないことがいっぱいあるんですから!!




「まぁ鎌倉までは俺も一緒に行くけどねー」


「どうして私が頼朝に呼ばれてるの?」


「ごめんね、それについては俺もわからないんだ」


「そっかぁ・・・」




どうしよっかなぁ・・・

うーん・・・熊野行けなかったら嫌だしな・・・

でも、何となく行かなくちゃいけない気もするし・・・

ここで断ったら景時とか九郎とか・・・悪いように言われちゃったら困る。




「わかった、行く」


「・・・・・・」


「でも・・・すぐ帰ってくるから」


「それは頼朝様次第だよ・・・」


「絶対に!私はすぐに帰ってくるの!」




これだけは譲れない!!

絶対に熊野参詣するのー!!!




「・・・はは、ちゃんには負けるよ」


「え?」


「早く帰って来れるといいね」


「うん!」


「じゃあ俺は九郎に伝えてくるからゆっくり休んでていいよ」


「出発は?」


「明日の早朝」


「朝かーうん、起きれるように頑張る」


「まぁ起きれなかったら眠ってるちゃんを連れて行っちゃうけどね」


「あっそのほうが楽そう」


「馬から落ちても知らないよー?」


「景時の馬に乗せてくれるんでしょ?」


「うん、それはもちろん」


「じゃあ大丈夫、景時は落としたりしないよね?」


「ははっもちろん」










† ぐるぐる回る運命は、私を乗せて回り続ける †

(しっかり、頼朝の顔拝んできてやりますか!)



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