† 天から舞い落ちたのは †
「いいお天気だねぇー」
「さん・・・どうしてそんなに元気なんですかー?」
「本当に、元気ね」
望美ちゃんと朔ちゃんは少々お疲れモードみたい。
やっぱり徹夜でお茶のお作法とかお喋りだったもんね。
私も実はちょっと眠かったり。
「おっはよー準備は出来たー?」
「はい、一応」
とりあえず準備は出来ている。
ただ、ちょっとお疲れモードなだけ。
「あれ?九郎は?」
「九郎はもう先に行ってるよ」
「やっぱり大変なんだねぇー鎌倉殿の名代は」
「・・・ちなみに昨日からずっとお作法?」
「うん、完全徹夜。お作法だけじゃなかったけどね」
「うわぁーそれはお疲れ様」
景時は途中で逃げたから・・・!!
でもまぁ・・・お作法だけじゃなく色んなお話が出来たから楽しかったんだけどね。
「じゃあ行こっか!」
◇◇◇
「この舞台で舞を・・・?」
「あぁ、お願いできないだろうか?」
「しかし私は出家した身ですので・・・」
「朔殿、法皇様が仰っているのだぞ」
「よい、九郎。そちらの娘はどうじゃ?」
「・・・・・・出来ません」
え?!
望美ちゃん、舞わないの?!
「望美も無理か・・・はどうだ?」
うーどうしよう・・・
朔に舞は教えてもらってないし・・・
でも、このままだと九郎の立場が微妙になっちゃうような気もするし・・・
「雨が降るなんて保証ありませんよ?」
「あぁ、構わない」
「ほう・・・その娘が舞うのか?」
「いえ、舞いません」
「・・・・・・」
「舞うだけが雨乞いじゃないでしょう?」
「面白い娘じゃな、やってみるがよい」
よし、舞わなくていいなら・・・
って・・・どうしよう?
こうなったら・・・
「雨よ降れー!!!」
もう、叫んでみるしかないでしょう?
なーんてこんなことで雨なんて降るはずない・・・
「雨だー!!!」
「雨が降ってきたぞー!!」
え?!降っちゃったの?!
叫ぶだけでいいの?!
「さん、すごいー!!!」
「・・・すごくないよー叫んだだけだしー」
「の声、天に届いたんだね」
「すごいわ、さん」
とりあえず、望美ちゃんとか朔ちゃんとか白龍は誉めてくれたけど・・・
他の皆さんは驚きでいっぱいの顔。
そうだよねぇ・・・普通驚いちゃうよね・・・
だって私も驚いてるもん。
◇◇◇
「そなたは天の姫か?」
雨を降らせて呑気に望美たちと話しているを法王様の元に連れてきた。
もちろん、法王様の仰せで・・・
「そんなすごいものじゃありませんよー」
「よし、九郎」
「何でございましょう、法皇様」
「この娘、譲ってくれないかのう?」
「は?」
「珍しい娘じゃ、是非手元に置いておきたい」
ここで法皇様のお言葉に逆らえばどうなるか・・・
しかし、を法皇様に渡すわけにはいかない。
「法王様、申し訳ございませんがこの娘は・・・私の婚約者でございます」
「はぁ?」
そんな呆けた声を出すな!!
お前がそんな声を出しては法王様に気付かれてしまうかもしれないぞ!!
しかし・・・ここで言葉を濁すわけには・・・
「ですので・・・法皇様にはお譲り出来ません」
「そうか・・・それならば仕方ないのう」
よし、とりあえずなんとなりそうか?
「申し訳ございません。行くぞ、」
「はーい」
◇◇◇
「ねぇー九郎」
「何だ?」
「私、いつから九郎の婚約者になったのー?」
「そ、それは・・・」
こんなところでそんなことを言うな!!
もし弁慶が聞きでもしたら・・・俺が呪われるではないか!
自分が弁慶にも気に入られていることに気付いてないのか?!
「おや、それは聞き捨てなりませんね」
「べ、弁慶・・・」
睨むな・・・!!!
俺を睨むな!仕方がなかったんだ!!
「ちゃんと話していただけますよね?九郎」
「あ、あれは!法王様がを譲れと言うから口実で・・・」
「あぁ、なるほど、そういうことでしたか」
・・・納得してくれたのか?
俺は呪われずにすむのか・・・?
「あっなるほど!ありがとー九郎」
「あ、あぁ・・・」
「九郎はこの後お片づけでしょー?頑張ってねー」
◇◇◇
「しかし・・・叫ぶだけで雨を呼ぶとはすごいですね」
「案外呼べば来てくれるものなんですよ、きっと」
「確かに・・・祈る者はいても叫ぶ者はあまりいませんからね・・・」
「ヒノエもそうだったでしょう?」
「もしかしたら君のその鈴の鳴るような美しい声色に呼ばれてきてしまうのかもしれませんね」
† 天から舞い落ちたのは †
(いやぁー雨って降るもんだね、うん。願えば叶うってこういうことなのかなぁー。)
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