† 満月の晩に一人歩きは危ないよ。俺みたいな奴がいるから †
「、ちょっといいかい?」
「ん?ヒノエーどうしたのー?」
「月が綺麗だから、是非一緒にと思ってね」
「月?あっ本当だー今日は満月だったんだねー!」
「綺麗な月だろ?」
「うん、すごく綺麗!」
「でも・・・お前のほうが綺麗だけどね」
「えぇ?!」
「ふふ、赤くなった」
「・・・ヒノエ、からかってるでしょー?!」
「からかう?まさか、俺は本心を言ったまでだよ」
「もうヒノエってば・・・」
「ねぇ月の姫、お前も月に帰るのかい?」
「え?」
「ふふ、可愛いね・・・」
顔を朱に染める姿も可愛いけど・・・
強い瞳。
自分自身の行動は自分で決めると言った時のあの表情・・・
この姫君は只者ではないと思わされる。
最も、初めて見た時から只者ではないと思わされていたけどね。
「・・・ヒノエ、私は月の姫じゃないよ」
いつかは月に帰ってしまうという月の姫。
でも、お前は月の姫じゃないと言った。
「だから月には帰らない」
この強い瞳に俺は狂わされてしまう。
そう、それは出逢った時から・・・
この瞳に心奪われ、惹かれてしまう。
「じゃあお前はどこに帰るのかな?」
「・・・さぁ?でも、今はまだ帰れないかな」
「どうして?」
「何も出来ない私かもしれないけど・・・この場所にいたいと願ってしまうから」
あぁ・・・本当に手強い姫君だね。
何も出来ない・・・そんなことはない。
きっとね・・・
「ふふ、もうお休み・・・」
「え?」
「これ以上俺の傍にいたら俺が攫ってしまうかもしれないよ?」
月ではなく・・・熊野にね。
熊野に攫って俺しか見れないようにしてしまおうか。
「うーん・・・じゃあ攫われちゃ困るから望美ちゃんたちのところ行って来るー」
この姫君は簡単に手に入らない。
絶対に。
でも、いつか・・・
必ず手に入れてやるよ。
海賊は一度狙った宝物は逃がさないからね。
◇◇◇
「あー二人ともお茶飲んでるー」
「さんも一緒にどうかしら?」
「いいの?」
「もちろんです!」
「わぁーい!お言葉に甘えまーす」
「じゃあ点てますね」
「ありがとう、朔ちゃんー!」
嬉しそうな笑顔。
どうしてかしら・・・
さんの笑顔を見ていると自然と私まで笑顔になってしまう。
「・・・どうぞ」
「わぁーすごくいい香り」
「普通にお茶を楽しんでいるだけだからお作法とか気にしなくていいですよ」
「ありがと、でも・・・お茶の点て方教えて欲しいな?」
「あっ私も!」
「ふふ、じゃあ教えてあげるわ」
まるで妹が二人できたみたい。
・・・なんて言ったらこの二人は怒ってしまうかしら?
さんは年上みたいだし・・・
でも、本当になんだか可愛らしいのよね。
二人とも。
「朔、入ってもいいかな?」
「兄上?どうしました?」
「お茶菓子を頂いたんだけど食べるかなぁー?って思って」
「丁度いいですわ、兄上」
「え?」
「今から二人にお茶の点て方を教えるところだったの」
「へぇーじゃあ丁度いいね。ついでに俺にも点ててくれるー?」
「それは二人に聞いて下さい?」
「あっもちろんですよ、景時さん!」
「はーい、頑張って点てますー」
「よかったですね、兄上」
† 満月の晩に一人歩きは危ないよ。俺みたいな奴がいるから †
(海賊は一度狙ったお宝は逃がさない。だから、覚悟してなよね?。)
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