† どんなに問い掛けても貴方は答えてくれず †
「・・・女、何者だ?」
「おいおい、そんなに殺気振りまくなよ」
「将臣、人のこと言えないじゃんー」
・・・確かにそうか。
俺もに初めて逢った時は殺気振りまいてたもんなぁー。
っていうか、知盛のことも知ってるのかよ。
まぁ、敦盛のことも知ってたからから知ってても可笑しくないか。
「あっ私はだよー」
「・・・そうか」
「知盛殿、何故こちらへ?」
「母上と帝が京へ向かわれたと聞きまして」
「そうでしたか」
あーなるほど。
尼御前と帝を追いかけてきたのか。
「うわぁー本物の知盛だよねー」
・・・・・・怖いもの知らずな女だな・・・
あの知盛に近づいて、尚且つ触れまくってやがる。
殺気に気付いてないわけでもないよな・・・?
「こんなところで逢えるなんて思わなかったー」
・・・・・・知盛、まさか剣を抜いたりしないよなぁ?
コイツは一応一般人だし・・・
「女・・・斬るぞ」
「いやー痛いの反対ー」
「・・・・・・」
「それに知盛も尼御前や帝の目の前で斬りたくないでしょ?」
「・・・・・・」
「本当は優しいんだよね」
あの知盛に優しいなんて言葉使う奴初めて見た。
まぁだしな・・・
「あっそうだ、帝ーこれあげるー」
「・・・・・・これは何だ?」
「チュッパチャップスだよ」
「懐かしいもん持ってるなー」
「還内府殿の世界の物なのか?!」
「あぁ」
「甘いよー」
「甘いのか?!」
・・・餌付けか?
しかもチュッパチャップスなんて持ってたのかよ・・・
まぁ帝も喜んでるし、いいか。
「要は飴なんだけどねー」
「すごい飴があるのだな、還内府殿の世界には」
「ははっまぁな」
「さーて、私は帰ろうかなー」
「望美たちのところにか?」
「うん」
「・・・福原に一緒に来ないか?」
「うーん・・・今回は遠慮しておくー」
「今回はって・・・また逢えるような口振りだな」
「だってまた逢えるもん、絶対に」
確かに同じ世界にいれば逢える可能性はある。
でも、世界は広い。
だけど・・・コイツにそう言われると本当に逢えるような気がする。
「福原まで気をつけて帰ってねー」
「ありがとうございます、殿」
「殿!飴、ありがとうなのだ!」
「・・・またな、」
気に入られたな・・・あの知盛にまで。
コイツは初めて逢った人間でも親しみやすいから当然か・・・
「じゃあな、」
「ばいばーい」
◇◇◇
「あっさん!」
「あー望美ちゃん御一行ー」
将臣と分かれて一人で来た道を思い出しながら帰ってるところで望美ちゃんに声を掛けられる。
うわぁー本当に御一行様。
大人数だねぇ。
でも、これからもっと大人数になるしなぁ・・・
頑張れ、望美ちゃん。
「あれ?将臣くんはどこ行っちゃったんですか?」
「え?あー・・・」
うーん・・・どうしよう?
尼御前と帝と知盛と仲良く帰っていきました・・・なんて言えない!!
これは困ったぞ・・・
「忙しい人だから帰っちゃった」
「兄さん・・・また勝手なことを・・・」
「八葉なのに望美の傍を離れるなんて・・・」
「確かに将臣は八葉だけど・・・将臣の行動を決めていいのは将臣自身だけだよ」
「へぇーやけに将臣の肩を持つね、」
肩を持ってるつもりはないんだけどねぇ・・・?
ただ、ここで将臣の正体がバレると拙いことになるから・・・
「だって、ヒノエはヒノエ自身が決めて行動するでしょう?」
「あぁ、そうだね」
「自分の進む道は自分自身が決めて、それで行動するでしょう?それと一緒だよ」
あっでもこの世界って命令で動くんだよね・・・
頼朝とか頼朝とか頼朝とかの!!!
「・・・手強いな、この姫君は」
「あっリズ先生どうだった?」
「鞍馬寺のほうにはいらっしゃらなかった」
「結界まで解いて進んだのにねー」
「それで可能性がありそうなのは神泉苑って話してたんですけど・・・」
「神泉苑では明日、雨乞いの儀が催されることになっている」
「ってことは・・・今は準備中だから近づけない?」
「そういうことですね」
神泉苑で雨乞いの儀かぁ・・・
確か舞が観れるんだよねー望美ちゃんの。
「じゃあ・・・明日、雨乞いの儀、観に行ける?」
「興味があるのか?」
「うん」
後白河院も見たいし。
望美ちゃんの舞も見たい!
「わかった、席を用意させる」
「やった!ありがとう、九郎ー」
† どんなに問い掛けても貴方は答えてくれず †
(ねぇ、将臣。また逢えるよね?だって、私もあなたも考えてることは同じなんだよ。)
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