† 名前?そんなもの好きに呼べばいい †
「ただいまー」
「あっさん、お帰りなさい!」
「はい、望美ちゃん。お土産だよー」
「本当にヒノエくんだぁ・・・」
さんは本当にヒノエくんをつれてきてくれて・・・
しかもお土産扱い。
そして、何故か弁慶さんも一緒。
「へぇ・・・白龍の神子姫様も俺のこと知ってるんだ」
「神子姫様って・・・望美でいいよ?」
「じゃあ望美って呼ばせてもらうよ」
「うん」
「ふふ、可愛いね」
やっぱりヒノエくんは相変わらず。
きっとさんにも同じようなこと言ったんだろうなぁ・・・
さんってば可愛いから。
でも、ただ可愛いだけじゃなくてすごい人なんだと・・・思う。
運命を知ってるって言ってた。
それは一体どういうことなんだろう?
気になるけど、その質問の答えはきっとまだ答えてもらえないんだと思う。
「望美ちゃん!望美ちゃん!ご飯は?ご飯は?」
「うん、譲くんが今作ってるよー」
「本当?!譲のご飯楽しみー」
なんかかさん、嬉しそう。
そうだ、自然って感じで、すごくいい。
その余裕が少しうらやましい。
多分、この人は私よりも年上なんだと思う。
お姉ちゃんみたいな、そんな存在。
・・・私よりも小さくて、可愛らしい人だけど。
「ただいま」
「あっ将臣、お帰りー」
「飯は?」
「もう!将臣くん帰ってきて第一声がそれ?!」
「今、譲が準備してくれてるらしいよー」
「じゃあ外で食ってこればよかったな・・・しかも、何か人数増えてるし」
「もしかして譲に伝えなきゃダメだったりする?!」
「あっじゃあ私、伝えてくるよ」
「うん、望美ちゃんよろしくねー」
さんをこの三人の中に残してていいのか迷うけど・・・
まぁ大丈夫だよね。
将臣くんとも仲良さそうだし、弁慶さんとも。
あとは・・・ヒノエくんのことはお土産扱いで連れて帰ってきちゃうくらいだし。
◇◇◇
「で、お前誰だ?」
「生憎、野郎に名乗る名は持ち合わせてないんでね」
うわぁー微妙な空気。
この二人って仲悪かったっけ?
将臣とヒノエ・・・うーん・・・
二人の組み合わせってあまり見たことない!!
でも、そんな険悪にもならないと思うんだけどなぁ・・・
「まぁ、別にいいけどな」
いいの?!
八葉だよ?!同じ八葉なんだよ?!
名前を呼ぶこともないってこと?!
そりゃ、あんまり関わらないだろうし。
それこそ、ルートによってはゲームでは二三言しか話さないなんてこともあるような気もするけど!
でも、そんなのよくない。
私的によくない。
「よくない!!」
「・・・?」
「声をあげてどうしたんだい、姫君?」
「名前は大切なものだよ?」
「「・・・・・・」」
「だって、私は名前知らないで過ごすとか嫌だし。名前を呼ばれないのも嫌」
「「・・・・・・」」
「ふふ、二人とも負けのようですね」
「・・・・・・ヒノエだよ、ヒノエ」
「俺は有川将臣だ」
「これでいいのかい?」
「うん!」
最も、ヒノエは本名を名乗りはしなかったけど。
まぁそれは仕方ないか・・・
だって、私だって最初の運命だとヒノエの本名知らなかったし。
「で、将臣は姫君のなんなわけ?」
「は?」
「将臣はねー私の命の恩人?」
そうだ。
命の恩人っていうのがぴったりだね。
だって、将臣がいなかったら私ってば顔面衝突。
むしろ生きていたかもわかりません。
「そんな大げさなもんじゃねぇーけどな」
「いやいや!私の顔面衝突を避けてくれたじゃない」
「まっお前がそれでいいなら俺は別にいいけどさ」
「ふーん・・・結構手強そうだね、将臣」
「・・・は?」
「ふふっでもそうじゃなきゃ面白くもない」
「あ、なんか仲良しな感じ?」
うんうん、仲良きことは素晴らしき・・・ってね。
仲がいいことにこしたことはないと思うよ。
だって、これからの運命には二人の協力も必要。
平家の還内府と熊野の熊野別当。
「俺は野郎と仲良くする気なんてないよ」
「えぇーそんなこといわずに仲良くやろうよー」
「ねぇ、」
「ん?」
「俺は野郎よりもお前と仲良くなりたいな」
「あっそれは大歓迎。ぜひぜひ仲良くしてくださいな」
† 名前?そんなもの好きに呼べばいい †
(てか、ヒノエと将臣が喋ってるのってホントなんか新鮮ー!)
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