† 君の呼ぶ声が聞こえた気がして一瞬反応が遅れた。その一瞬の隙がいけなかった †











「本当にここにヒノエがいるんですか?」


「んー多分?きっと」




保障はありません。

でも、ヒノエのアジトって言ったらここなんです、ゲーム上では。

ここ以外は知らないんです。




「とりあえず・・・ヒノエーー!!出てきなさぁーーい!!」


「意外に単純な方法を選びましたね」


「でも、実は効果的だったりするかもしれないじゃない?」




ほら、呼ばれたらさすがに出てこなきゃー?みたいな。

あぁ、でも相手はヒノエだった。

一筋縄じゃいかないタイプだ。

でも、まぁ呼んでしまったものは仕方がない。

とりあえず、待ってみよう。




「やぁ、可愛い姫君?俺のことを呼んだかな」


「あ、ヒノエだ」




やったー!!!

出てきてくれちゃったよ、ヒノエ!

いやぁーやっぱり呼んでみるもんだね、うん!




「・・・お見事です、さん」


「アンタのそんな顔初めて見たよ。さぁ姫君、お前の名前を聞かせて?」








「ん?」


「籠もよ、み籠持ち・・・この丘に菜摘ます児 家聞かな、告らさね・・・我にこそは告らめ家をも名をも」




これって確か・・・求婚歌だったよね?

ってことは、私ってばいきなり求婚されてる?!




「私は簡単に心を許してあげないよ?」


「ふふっいいね、姫君」


「え?」


「簡単に心を許す姫君よりも、お前のような姫君のほうが俺は好きだよ」




そ、そんなこと言われたら・・・

簡単に許しちゃいそうになるじゃない!!

あーもう、この二人と一緒にいる時点で心臓が持たない持たない。




「それに・・・ゆっくり姫君の心を奪っていくのも悪くないからね」




なんてカッコよく笑われちゃうものだから・・・

完璧敗北な気がするー!!!

ヒノエに負けないようにしようと思ってたのに・・・!




「覚悟してなよ、


「そのあたりにしておきましょうね、ヒノエ」


「邪魔するなよ、叔父上」


「・・・・・・」




あー言っちゃったよ。

叔父上って。

そりゃ、私は知ってるからいいんだけどねぇ?




「こういう時は気を利かせて退散してくれるものじゃないのかな?叔父上」


「残念ですが、そうもいきません」


「ふーん・・・なるほどね」




何か二人で勝手に話し進めちゃってるし・・・

私って実はアウトオブ眼中?

この状態はまるで叔父と甥の感動の再会?

あ、それじゃあ私こそが邪魔者だ。




「えっとーお話中ごめん。もしかして私今お邪魔?」


「は?」


さんが邪魔なわけがないじゃないですか」


「あ、ホント?そう言ってもらえると助かるや。邪魔って言われたら退散しなきゃだったし」


「ねぇ・・・


「ん?」


「叔父上なんて放っておいてさ、俺と熊野に行こうよ」


「熊野かぁーいいね。夏にぜひ行きたい」




そう、やっぱり熊野は夏に行きたいよね!

海・・・

と、危険がいっぱい?




「だから、今はヒノエは私と一緒に来てください」


「ふふっ姫君からのお誘いなんて嬉しいね」


さん。ヒノエを梶原邸に連れて行くおつもりで?」


「うん。だって・・・あーこれは梶原邸に戻ってからにする」




私が言っちゃってもいいんだけど、説得力がない。

だって、私は神子でも八葉でも龍神でもない。

宝玉は見えちゃってるんだけどね。




「梶原邸か・・・白龍の神子姫様がいるところだね?」


「そう、白龍の神子姫様に逢わせてあげちゃうから一緒に来て」


「いいよ。姫君のお願いともあれば喜んで」










† 君の呼ぶ声が聞こえた気がして一瞬反応が遅れた。その一瞬の隙がいけなかった †

(よし、ヒノエゲット!!!・・・・・・あはは、なんか某モンスターゲームみたい)



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