† 首筋にキスを落として †










「もしかして修羅場?」




・・・私タイミング悪い?!

っていうか、ここってアレですか・・・知盛の昔の女のお邸!!

女房さんそれならそうと教えてよねー!!




「何用だ?」


「ん?京の市でお買い物頼まれたから荷物持ちが欲しくて」


「・・・重盛兄上か重衡はいなかったのか?」


「うん、何か忙しそうだったから止めた。で、知盛捜してここまで来たの」




書類整理って言うのかな、アレは。

お仕事いっぱいで大変ですって顔してたから流石に荷物持ちは頼めなかったんだよねー。




「そうか・・・」


「知盛様!この者は何なのです?!誰か!不法侵入者ですわ!!」


「・・・五月蝿い、黙れ」


「・・・・・・」


「知盛ー私不法侵入者だよ、ここは逃げるべき?」


「クッ・・・負け戦は嫌いなのだろう?」


「うん、嫌い。大嫌い」


「ならば逃げるなよ・・・」


「でもー捕まりたくはないんですけど」




この場合、不法侵入者って捕らえられるよね?

下手したら一生牢の中って展開になりかねないよね?!

それは嫌。

絶対に嫌。




「捕まらんさ・・・お前がじっとしていたらな」


「えぇーじっとしてたらいいの?」


「あぁ・・・動くなよ・・・」


「はぁーい」


「姫様!お怪我はございませんか?!」


「えぇ、あの女を捕まえるのです!」




・・・お姫様、怒ってるよー。

私、本気で拙い展開だと思うのですけどー・・・




「きゃっ!」




なんて思ってたらいきなり腕捕まれるし。

やばいよ。

本当に捕まってるんですけどー・・・




「・・・触るな」


「しかし、この女は・・・!!」


「これは俺のものだ」


「知盛様?!どういう意味ですの?!」


「そのままの意味さ・・・」


「・・・んっ・・・!?」




なんで私、キスされてるんですか?!

しかも公衆の面前なんですけど?!

目の前で知盛の元カノサン唖然としてるんですけど!!!




「ちょっと、知盛!何するのよー!!!」


「別に・・・悪いものではないだろう?」


「悪いものではないって何よその見解!」


「お前の口から口付ける行為は嫌いという言葉は聞いたことはないが・・・?」


「そ、それはそうだけど!」


「ならば・・・別に構わんだろう?」


「あのねーちょっとはTPOを考えてよねー!!!」




平家のお邸の中でならまだいいよ。

うん、別にいい。

寧ろ嬉しいけど・・・!!!

ここは外です。

しかも、元カノのお邸だよ?

これは拙いでしょーが!!!




「知盛様、酷いですわ!!」


「・・・・・・五月蝿い女だな・・・」


「って言うか、知盛が全部悪いんでしょ」


「・・・何故?」


「何故って・・・もう、いい。知盛が実は鈍感サンだってこと最近わかったから」


「では行くぞ」


「え?何処へ?」


「市。・・・荷物持ちなのだろう?」


「あっそうだ、忘れてた」




元カノサンとの修羅場があまりに印象的過ぎて。

っていうか、知盛にTPOを叩き込まなくちゃ。




「後で覚悟しておきなさいよー」


「覚悟?クッ・・・楽しませてくれるのかな?」


「さぁ、楽しいかはわかんないけど・・・叩き込んであげる」


「情熱的なことで・・・」


「さっそうと決まれば、市に行かなくちゃ」




買い物しなくちゃいけないものいっぱいあるんだよねー。

っていうか、これって今日の晩御飯の食材?

・・・・・・私、女房さんに使われてるー?

まぁ、置いてもらってるし。

特別扱いされすぎるの嫌だし・・・いっか、買い物くらい。

美味しいご飯も毎日食べさせてもらってるし。




















◇◇◇





















「ただいまー」


「お帰りなさい、


「ただいま、重衡」


「どこ行ってたんだ?」


「ん?市と・・・知盛の元カノのお邸?」


「はぁ?お前そんなトコに何しに行ったんだよ・・・」


「知盛呼びに。荷物持ちさせるためにね」


「姫君、お怪我はございませんか?」


「怪我?してないよー」




腕捕まれただけだし。

ちょっと強く握られちゃったけど・・・

知盛の威嚇ですぐに離してくれたから全然大丈夫だし。




「おい知盛」


「何だ・・・?有川」


「大丈夫なのかよ」


「別に・・・何も起こらんだろ」


「知らねぇーぜ、俺は」


「兄上に面倒をおかけするつもりはありませんよ」


にも面倒かけさせるなよ」


「肝に免じておきましょう」


「そうだよー私、面倒かけられるの反対だからねー!!」




面倒ごとは嫌。

特に過去の女性関係なんて絶対巻き込まれたくない。




「それと、TPOはちゃんと考えてよねー」


「てぃーぴぃーおーとはなんでしょう?」


「時・場所・状況です」


「・・・何したんだよ、知盛」


「別に・・・ただ、五月蝿い女の前でに口付けただけさ・・・」



「「・・・・・・」」



「・・・・・・ズルイですね、兄上」


「はは・・・なるほどな、確かにTPO考えろって言いたくなるな」


「将臣はともかく、重衡の言葉間違ってると思うんですけどー・・・」










† 首筋にキスを落として †

(とりあえず、将臣がいてくれて本当によかった!一人でこの2人の相手は正直しんどいです!)



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