† アレは恋煩いっていう厄介な病気だから †
「おっ、知盛」
「姫君はお眠りになりましたか?」
「あぁ・・・寝た・・・」
「ははっ不機嫌そうだな、知盛」
「黙れ、兄上」
「でも・・・いい顔してるぜ」
「・・・・・・」
「たまには悪いもんじゃねぇーだろ?面倒な女も」
「・・・まぁな・・・」
一般的に考えれば、は面倒な女だと思う。
我侭だし。
意地っ張りだし。
おまけにカナリ欲張り。
そして、猫みたいな奴。
「可愛らしい姫君ですよね、は」
「・・・そうだよなぁ」
確かに可愛いと思う。
何をするにも自然体。
自由という言葉がよく似合う。
「なんていうか・・・俺たちも苦労するよなぁ・・・」
「ふふ、姫君から与えられる苦労は甘美なものでしょうが・・・」
「クッ・・・ただの面倒な女だろ・・・あの女は」
「じゃあお前が今まで相手してきた女と同じか?は」
「・・・・・・違うな・・・」
「それなら・・・ただの面倒な女じゃないだろ?」
「そうだな・・・面倒だが愛しい女・・・とでもしておくとしよう」
「・・・素直だな」
知盛ってこんなキャラだったか?
まぁ・・・が来てから丸くなったのか。
っていうか、俺も知盛のことそんなに知ってるわけじゃねぇーけど。
「別に構わんだろう?」
「まぁな」
「あの女にかけられる迷惑は嫌いじゃないぜ・・・」
「はは・・・」
なんていうか・・・
一番苦労するのは間違いなく俺だよな。
やっぱりこいつ等の兄みたいなもだってのが一番の原因か?!
俺が一番年下だってことも含めこいつ等絶対わかってないだろ・・・
まぁ・・・仕方ない、か。
◇◇◇
「うぅー・・・頭痛いー」
「自業自得だ」
「えぇー?全然記憶にないんだけどー・・・お酒飲んだ覚えはある」
「飲みすぎだったもんな」
「そんなにいっぱい飲んでたー?」
「あぁ、あいつ等になされるがままにな・・・」
「そっかー・・・気をつけなくちゃ」
「おはようございます、姫君」
「あっおはよー重衡」
「・・・今日も還内府殿が一番だったのですね」
「まぁ・・・部屋が一番近いからな」
「・・・・・・」
「・・・睨むなよ」
「そーだ、知盛は?」
「さぁ?兄上でしたら・・・まだお休みかもしれませんね」
「知盛低血圧だしね」
† アレは恋煩いっていう厄介な病気だから †
(さー朝の挨拶しに行こう!)
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