† 月から降って来たのは非日常と君 †
「んー・・・あぅ、将臣ー取らないでよぉー」
「もう止めとけ、酔っ払い」
「酔ってないよぉー・・・」
「酔っ払いはみんなそう言うんだよ」
「むぅー将臣の意地悪ー」
知盛と重衡に勧められるがままに飲んでこの結果。
完璧酔っ払いの出来上がり。
俺は一応止めようとしたんだけどな・・・
「知盛ーもう一杯」
「あぁ・・・」
「知盛!止めろって!!」
「兄上、はまだ酒を求めているようだが?」
「それでも止めとけ」
この世界、救急車なんて存在しねぇーし。
っていうか、こいつって酒に弱かったのか?!
・・・強かったよな?
今迄だって宴は開かれてたし、その度飲んでたし。
「・・・そんなに強い酒なのか?」
「あぁ、・・・なかなかな」
「でもお前等全然酔ってないよな?」
「俺たちはそんなに飲んでいないさ・・・」
「姫君のお飲みになっている量は私たちの倍くらいになりますからね」
「マジかよ・・・」
・・・・・・こいつ等、を殺す気か?!
いや、それはありえないか。
「もっとぉー・・・お酒、もっとぉー」
「うわっ、おい、!絡むな!」
「将臣ーぎゅー」
ぎゅーじゃねぇだろ!!!
そりゃ、抱きつかれるのは嫌じゃないけど・・・さ。
一応、好きな女だし。
「将臣、私のこと嫌い?」
「はぁ?」
「嫌いなのぉ?」
・・・・・・完璧酔ってやがる。
って言うか・・・そんな上目遣いで見つめるな!!!
「将臣ぃー?」
「好きだよ、好きだ。・・・これで満足か?」
「うん、エヘヘー嬉しいー」
ったく・・・そんな風に笑うから、余計に思っちまう。
愛しいって。
「私も、将臣のこと大好きだよ」
「・・・サンキュ」
酔っ払いの言う発言でも・・・
の言葉だけは信じられる。
なんて・・・これも惚れた弱みかもしれないな。
「・・・重盛兄上」
「・・・そんな不機嫌な顔するなよなー知盛」
俺を睨みつける知盛。
っていうか・・・睨んでくる知盛はまだいい。
わかりやすくて。
でも・・・ニコニコ笑ってやがるんだよ、重衡は。
だから・・・とりあえず、今の俺は重衡が怖い。
俺は悪くないんだって!!
悪いのは全部この酔っ払いのお姫様だろーが!!!
っていうか、飲ませたお前等が悪い!!
† 月から降って来たのは非日常と君 †
(俺は悪くない!)
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