† お願いだから…私のことを、愛して下さい †
「おーすごい、すごい」
もう、傍観するしかないでしょ。
この煌びやかな感じ。
って言うか・・・貢物の数々。
「そりゃ・・・言っちゃったけどー・・・こんなにすごいとは思わなかった・・・」
昨日の宴で、知盛と重衡と将臣に言っちゃったけどさぁ・・・
貢物が欲しい!なんて・・・
こんなに早く用意されるとは思わなかった。
さすが平家一門。
「えっとー着物、香炉・・・装飾品・・・扇、遊び道具?」
だ、ダメだ・・・
全然わかんない。
どうしてこんなに大量なんですか・・・?
×3だから?!
三人にお願いしちゃったから?!
「、失礼します」
「あっ重衡ー」
「あぁ・・・受け取ってくださったのですね」
「この貢物の数々?」
「はい」
「う、受け取ったのは受け取ったけどーなんでこんなに大量?」
「大量・・・ですか」
「やっぱりこれが普通?」
「姫君のことを想いましたら・・・つい多めになってしまいました」
「じゃあ・・・私は特別ってこと?」
「はい」
「そっかー・・・うん、それならいいや」
他の女の人たちと一緒なんて嫌。
私は貪欲な女だから。
「姫君、ひとつお願いしても宜しいですか?」
「ん?何?」
「この着物・・・着て頂けませんか?」
「これ?」
「はい」
「重衡が選んでくれたの?」
「はい」
「そっかー・・・そうなんだぁ・・・うん、着るよもちろん」
っていうか・・・贈り物の数々が全部混ざっててー・・・
誰からのものかわかんないんだよね。
だからこうして教えてもらえるのはすごく嬉しい。
あとで知盛と将臣にも聞かなきゃ。
「やっぱり、私も何かお返しするべきだよねー」
こんなにいっぱいもらっちゃったし。
って言ってもー・・・私に返せるものって何?
この時代のお金ないし。
愛しかないんですけど?!
「姫君、気遣いは無用ですよ」
「でも、ねぇ?」
「・・・では、あなたの愛を私に下さい」
「・・・ほんとーにそれでいいの?」
「はい、私にはそれが何よりも嬉しいですから・・・」
「もー・・・重衡ってば」
やっぱり、好きだなぁ・・・
うん、大好き。
「私の愛、いっぱいあげる。でも・・・それはこの贈り物に対するお礼だけじゃないんだよ?」
「はい」
本当に大好きだから。
だから、たくさん愛をあげるの。
「重衡も私に愛をいっぱい頂戴ね」
欲張りな私を満たしてくれる、そんな愛を・・・
いっぱい、いっぱい・・・頂戴ね。
† お願いだから…私のことを、愛して下さい †
(私は欲張り、だって彼らの愛が欲しくて欲しくて仕方がない。)
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