† 愛してると言わせてください †










「あっちゃー・・・やっちゃった」




なんていうか・・・非常に拙い状況。

まず、誰かを下敷きにしてる。

・・・その前に・・・私、なんで誰かの上に落ちたわけ?

会社帰りにただ歩いてただけなんですけどー・・・

でもまぁ・・・とりあえず・・・




「見るのが怖いなぁー・・・」




さて、私は誰の上に落ちたのか・・・

見たいけど、見たくない、でもやっぱり好奇心は押えられない・・・!!!




「もう、見ちゃうもんね!」




・・・・・・銀色?

髪の色だよね、これ。

しかも、紫の綺麗な瞳・・・

私の知っている人の中で可能性があるのは二人。




「あのーつかぬことをお聞きしますが・・・」


「・・・なんだ?」




不機嫌そうな表情と声。

これで候補は一人に絞られた。




「もしかして、平知盛?」


「あぁ・・・俺をご存知とはな・・・」




ヤバイ。

非常にヤバイ。

落ちた所が拙かった・・・

同じ銀色でも重衡の上のほうが絶対にマシだったよー!




「おい!凄い音がしたけどどうしたんだ?!」


「重盛兄上・・・」


「だから兄じゃないって何度も言ってるだろ?って・・・女?」




うわぁ・・・兄じゃないって言ってる時点で有川将臣だよね。

還内府、平重盛、有川将臣・・・・・・




「悪ぃ、まさか逢瀬の途中だとは思わなかったぜ・・・まぁゆっくりな」


「や、ちょっと!待って!!」


「・・・俺か?」


「そう、待って、行かないで」


「・・・・・・まさか知盛・・・嫌がるこの女を無理やり・・・」


「この状況をしかと見ていただきたいものだな・・・」




この状況とは・・・私が知盛の上に乗ってしまっている。

つまり、形勢的には私が上?

・・・・・・傍から見れば私が知盛を襲ってる最中?!




「ははっ知盛が襲われてるとはな、お前何者だ?」


「襲ってませんー!」


「いや、その状況だと説得力ないぜ?」


「うぅーそ、そりゃそうかもしれないけど・・・私には知盛襲うなんて芸当ありません!!」


「まぁそうだろうな、いたって普通の女みたいだし」


「そうですよ、一般人ですよ!社会人のお姉様よ!」




私、将臣より年上だし。

あーでも状況によるかな?

ここがいつのどこなのかによって・・・お姉様になれないかもしれない。




「お前俺より年上なのか?!見えねぇ・・・」


「悪かったわね、小さくて!!」




そりゃ・・・一般の人よりも小さいけど!!

っていうか、将臣が大きいの!

知盛も!重衡も!みんな同じ身長の癖に!




「って言うか・・・お前この世界の人間じゃないんだよな?」


「うん、やっと気付いてくれて嬉しい」


「まぁ服装とか違うしな」


「そう、この世界とはちょっと違うデザインだもんね」




ちょっとと言うか・・・カナリ?

この世界ってやっぱり和装って感じだもん。




「で、お前名前は?」


だよ」


か。俺は・・・」


「有川将臣と還内府と平重盛・・・どれがいい?」


「お前・・・俺のこと知ってるのか?」


「知ってるけど、私はあなたの敵じゃ・・・ううん、平家の敵じゃないよ」




寧ろ私は平家好きだもん。

平家大好き!

っていうか・・・清盛三兄弟(将臣・知盛・重衡)がいいの!!

大好きなの!




「敵じゃないって・・・説得力ないぜ?」


「やっぱり?」




そりゃそうだよね・・・

今は多分戦乱の世。

将臣がいるってことは本物の小松内府はお亡くなりになっているということ。




「クッ・・・いい女だな」



「「はぁ?」」



「お前みたいな女は嫌いじゃないぜ・・・


「うわぁー私、知盛に誉められちゃってる?」




一体どの点で誉められてるのか全く不明だけど。

私、何かしたかな・・・?

いや、してない。

絶対に何もしてない・・・筈!!




「あぁ・・・俺の女になるか?」


「しかもさり気なーくプロポーズ?プロポーズっぽいよね?」




この時代に彼氏彼女制度って考えにくいし!

もういきなり結婚ってイメージが強いし!!




「おい!知盛・・・本気か?」


「本気、だぜ・・・?」


「って言うか・・・知盛、プロポーズわかるんだ」




わかってて言ってるんだよね?

本気とか・・・




「あーそれは前に俺が教えた。何となく」




・・・何となく教えるものじゃないでしょ・・・プロポーズなんて言葉。

将臣も不思議系だねぇ・・・




「とりあえず、ここはどこ?」


「ここは・・・六波羅だ」


「六波羅かぁ・・・」




六波羅ってことは・・・まだ、都落ちしていない。

平家が・・・栄華を誇っている頃。




「桜だよね、やっぱり」


「桜・・・か」


「うん、あるよね?桜」


「あぁ・・・庭にな」




やっぱり!!

重衡との逢瀬の時のスチルにあったもん、桜の木!

この世界に来ちゃったなら・・・絶対に本物が見たい!!




「早く春にならないかなぁー」


「失礼します。兄上、大きな音が聞こえましたが・・・」


「重衡か」


「あぁ・・・美しい姫君がいらっしゃいますね」


「う、美しい?!」




私が・・・?!

あーでもこの時代はそういう甘い言葉で人を翻弄して・・・

特に重衡だしー・・・




「兄上の逢瀬のお相手ですか?」


「えっとー重衡的には兄上って知盛?」


「はい」




っていうか・・・私って知盛の上に乗ったまま?

うわぁ・・・それでプロポーズされちゃったよ・・・

知盛の考えてること意味不明。




「残念だけどー私は知盛の逢瀬の相手ではありませんー」


「その状況で説得力ないぜ」


「だってー退けって言われてないし?」


「そういう問題かぁー?」


「うん、そういう問題」


「姫君、あなたの名をお聞かせいただけますか?」


「名を名乗りあうのは夜半になってからじゃないの?」


「ふふ、誘っていらっしゃるのですか?」


「え?何か間違えた?」


「間違えすぎ。何か俺だけ殺気立ってるのがバカバカしくなってきたぜ・・・」


「最初に言ったでしょー私は敵じゃないって」


「そうだけど・・・さ」


「私はねー将臣も好き、知盛も好き、重衡も好きなの」




三股上等!

全員同じ身長だし!!!

血も、肉も、骨も、魂も欲しいの!!




「だから、敵じゃないよ?」


「・・・お前、大物」


「え?」


「まぁいっか・・・俺もお前のこと気に入った」


「本当?!じゃあ敵じゃないってわかってくれる?」


「あぁ・・・敵じゃないなら歓迎するぜ」


「・・・重衡はどうする・・・?」


「私は・・・一目見た時からこの姫君に心奪われてしまったようです」


「こ、心・・・?!」


「可愛らしい姫君、私のものになってはいただけませんか?」


「えー?あーどうしよう?」




私的には・・・非常に嬉しい展開だけど・・・

まだ心の準備が・・・!!




「お前ら性急すぎ」


「クッ・・・兄上は欲しくないのか?」


「そりゃ・・・欲しいけど、さ」


「姫君には我ら三人のものになっていただきましょうか」


「おっそれいい考えだな」


「・・・・・・私、三股かけるってこと?」


「まぁそういうことだな」


「・・・いいの?」


「いいんじゃねぇ?」




うわぁ・・・三股だよ三股。

この時代って言うか世界なんでもありだね。




「じゃあとりあえず・・・お世話になりまーす」




寝床確保万歳。

目の保養がいっぱいいて・・・

しかも、三股決定?










† 愛してると言わせてください †

(まぁいっか。だって三人とも大好きなんだもん!!)



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