† 例え微かな気持ちでも積もれば運命も変えれるんだ †
―――神子・・・
「・・・え?」
「ー?どうしたの?」
「ううん、なんでもない」
気のせいだよね。
・・・神子って呼ばれた気がするなんて。
むしろ幻聴というか、私の願望に近い。
あーもう、これはまさしくゲームのしすぎ。
―――私の神子・・・
「え?」
「もう!ってばホントに大丈夫ー?」
「んーどうだろ。最近仕事忙しくって」
「後はゲームのしすぎでしょ!」
「あ、バレてる」
そうです。
むしろ仕事よりもゲームのしすぎです。
だって、ほら、やっぱり一気にプレイしたくなっちゃうじゃん。
「当たり前!でも、ホント大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、ありがと」
「じゃあ、私こっちだから!また明日ねー!」
「うん、また明日ー」
あーなんか、身体がだるい気もする。
ゲームのしすぎだなぁーホントに。
でも気をつけなきゃそろそろ仕事に支障がでかねない。
それは困る、絶対困る。
―――神子、私の神子。世界を救えるのはあなたしかいない。
「え?えぇーーー?!」
な、何?!
突然の地面が抜ける感覚と浮遊感と・・・その他諸々!
―――神子、私の神子。私の力は弱い・・・だけど、神子を守るから。
「・・・もしかして、白龍?」
―――そう、やっと私を呼んでくれたね。私の神子。
「私が白龍の神子?」
―――そう。あなたが私の神子。
待て、待とう。
ちゃんと考えろ、!
白龍の神子?私が?
確かにゲームのプレイヤーだった私は白龍の神子だけど・・・
白龍の神子=蓮水ゆきちゃん。
蓮水ゆきちゃん≠私。
「白龍ー私はあなたの神子になれるものならなりたいんだけど、ホントの白龍の神子は私じゃないでしょ?」
―――私の神子はあなた。あなたは私が選んだ神子。
「・・・私、女子高生じゃないんだけど」
そうだ、白龍の神子は私が知る限り女子高生。
歴代の遙かなる時空の中でシリーズもプレイしてきたけど・・・
白龍の神子はみんな女子高生だったはず。
私、もう女子高生時代はだいぶ前になっちゃうんですけど!
―――神子の言の葉はよくわからない。だけど、あなたが私の神子。
「白龍・・・」
―――神子は私の神子なる?私の力を望む?
白龍の神子になるか、ならないか・・・
究極の選択。
でも、そんなの答えは決まってる。
私は・・・
「うん、なるよ。私はあなたの神子になる」
蓮水ゆきちゃんのような優しい心も、素直な心も私は持ってないかもしれないけど、
ゲームのヒロインの白龍の神子とは程遠いかもしれないけど、
それでも、白龍を私が選んでくれるなら・・・
「だから、あなたの力を貸して。私をあの世界に連れて行って」
―――うん、神子の願い叶える。けれども・・・
きっと、この白龍は・・・新たに生じた白龍。
力の弱い白龍。
だから、白龍の力を使うにはきっと犠牲が必要。
白龍の神子の命を・・・
―――神子、私の力はとても弱い。
「うん」
―――だから、
「わかってるよ、白龍。私の命、使って」
―――神子・・・
「知ってるから、ちゃんと。だけど、私は力が欲しい、みんなを助けたい。だから、私に白龍の力をください」
―――あなたは私の神子、神子の願い、叶える。
「ありがとう」
† 例え微かな気持ちでも積もれば運命も変えれるんだ †
(命を懸けるなんて怖い。だけど・・・私は、白龍の神子になりたい。)
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