† やっと、やっと会えた †
「いったぁ・・・」
うわぁ、本当にゲームと同じ感じだ・・・
ビルとかそんな建物はないし、
・・・教科書とか歴史の本で見る町並みが広がっている。
・・・まさしく、遙かなる時空の中で5の世界。
「あ、服変わってる」
てか、これって・・・ゆきちゃんが着てたのとなんか似てる?!
いや、まぁ・・・これが白龍の神子の衣装なんだって言われたら仕方ないんだろうけど・・・
でも、ほら、なんだかコスプレな気分。
確かに可愛いなぁーなんて思ってたし、着てみたいなぁーなんていう願望もあったけど!
とりあえず、色合いを白基調を崩さずにちょっとダークトーンにしてくれたのは白龍の優しさだよね!
「鏡ないかなぁー鏡。今すぐ全身が見たい」
いや、あるわけないか。
こんないかにも、森って感じのところにあるわけがない。
自分の手持ちの鏡じゃ全身は見えないし・・・
あぁ・・・なんだか、無性に恥ずかしい。
せめて、誰かに私がこの服着てても大丈夫か聞きたい!
だって、ゆきちゃんは女子高生だし、可愛かったけど、
私ってばもう20歳も半ばなんだってば!
「・・・っ!怨霊?!」
ど、どうしよう?!
私は武器も何も持ってない。
ゆきちゃんみたいにフェンシングも習ってない。
このまま行くと・・・まさしく、ジ・エンド・オブ・私?
それは困る!非常に困る!!
そうだ、封印!白龍の力を・・・!
「大丈夫か?!」
「・・・え?」
「お嬢?!もしかしてもしかしなくてもお嬢か?!」
「・・・龍馬?」
「やっぱりお嬢なんだな!・・・っと、お嬢と語らいたいのは山々だがまずはコイツを何とかしないとな!」
「わ、私も戦う!」
怖い、怖い、怖い。
だけど・・・私は白龍の神子だから怖がってもいられない。
怨霊と戦って封印して、龍脈の乱れを正す。
それが今、私がしなくちゃいけないこと。
「お嬢は下がってなって!ここは俺に任せろ!」
「でも・・・私にしか怨霊の封印は出来ない」
「封印・・・?」
「そう。私は白龍の神子だから」
「白龍の神子・・・そうか、お嬢が・・・」
「でも、私の力だけじゃ怨霊を封印はできない。だから龍馬、手伝って」
「・・・あぁ!俺が怨霊の力を弱める」
「うん」
封印の言の葉なら知っている。
白龍、私に力をかしてね・・・!
私はこの怨霊を封印したいの。
「お嬢!今だ!!」
「めぐれ、天の声。響け、地の声。かのものを封ぜよ・・・!」
白龍、お願い・・・
―――神子の願い、叶えるよ。
「・・・本当に封印されたのか?」
「うん、多分ね。成功したみたい」
ありがと、白龍。
本当にありがとう。
「すごいぞ、お嬢!さすがは俺のお嬢だ!」
「・・・龍馬、あのね。私は龍馬が言うお嬢じゃないかもしれない」
「いいや、あんたは俺のお嬢だ。俺が間違えるはずがない」
「龍馬・・・」
「ほら、これを覚えてないか?あの時、お嬢が俺にくれたものだ」
「あ・・・」
白龍の砂時計の欠片・・・
ってことは、やっぱり龍馬が言うお嬢は・・・時空を越えて十年前の龍馬に出逢った私なんだ。
・・・でも、それじゃあ、龍馬はこの運命で死んでしまうことになる。
だって、私が時空を越えたのは龍馬を助けたかったから、死なせたくなかったから・・・
違う、龍馬だけじゃない。
運命を変えないと、みんな死んでしまう。
みんないなくなってしまう。
「龍馬・・・私、私は・・・」
「お、お嬢?!何泣きそうな顔してるんだ?!俺に逢えてそんなに嬉しかったのか?!それとも怨霊が怖かったのか?!」
「私は・・・あなたを死なせたくない」
「お嬢・・・・・・」
・・・今、私のことって呼んだ。
やっぱり、私のこと知ってるんだ龍馬は。
蓮水ゆきちゃんという白龍の神子ではなく、
という白龍の神子のことを・・・
† やっと、やっと会えた †
(私はみんなを死なせたくない。だから、私が運命を変えてみせる。)
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