† 俺、今きっと世界一の幸せ者なんだろうな †











「シズちゃん!包丁の持ち方おかしいから!!」


「お前もなんかおかしいだろ!!」


「私のほうがまだマシだもん!!」




ちゃんと猫の手もしてるし!

シズちゃんの包丁の持ち方はドラえもんなんだもん!!

グーで握ってるんだもん!!




「あぁーめんどくせぇ」


「シズちゃんが手伝うからって言ったんでしょー!!」


「そうだけどさ。食えれば形なんて多少いびつでもいーだろ」


「まぁ、そうだけどー」


「ほら、早く次の切ろうぜ」


「あ、じゃあ鶏肉切って」


「・・・切るのか?」


「え、切らないの?このままだと食べにくくて仕方ないよ」




だって、鶏もも肉一枚買ったんだもん。

このままだとまるでチキンステーキです。

いくらグツグツ煮込むとはいえ、時間もかかりそうだし!!

だから、切らないっていうのは却下の方向で。




「まぁそーだよな。・・・なんかさ、」


「ん?」


「トムさんの言うとおり新婚みたいだよな」


「なっ」




シズちゃんがそんなこと言う?!

キュンってするじゃん!!!

いや、むしろ、キュンよりドキドキっていうのが正しい。

どっちかといえば私がシズちゃんのことドキドキさせてたいのに!!!




「だぁ!!シズちゃん早く鶏肉切ってよ!!!」


「・・・・・・」




あぁ!!!

シズちゃんのバカヤロウ!!

勝ち誇ったような顔すんなーーー!!!

そりゃ、いつもは私がシズちゃんをからかうもんね!

それの仕返しみたいなもんだもんね!

あーもう、絶対顔赤くなってるしーやだやだ。

ここで負けたら女が廃る!!




「シズちゃん!!」


「なんだ?・・・うぉ?!」




まだ、勝ち誇った顔してるシズちゃんの胸倉を掴んで引き寄せる。

油断してたのか、シズちゃんは案外簡単に引き寄せられてくれて・・・

シズちゃんの顔が至近距離に。

そう、もう唇が合わさりそうな距離。

でも、私はキスはしないで・・・シズちゃんの唇を舐めてやった。




「なっ」


「油断大敵だよ、シズちゃん!」




よし、仕返し終了。

これで私の勝ちだって信じてる。

だってシズちゃんも顔真っ赤。

おまけにちょっと悔しそう。

女は強いんですよーっだ!!




、テメェ!!!」


「私、負けず嫌いなんだもん!!!」





















◇◇◇




















「お鍋ーお鍋ーシズちゃんとお鍋ー」




この女は厄介だ。

負けず嫌いで、人をからかうのが好きで・・・

でも、そんな女が俺は好きで・・・

あまつさえ、可愛いなんて思っちまう。

・・・末期だよな。




「お鍋ってなかなか一人ではできないよねー」


「あぁ」


「だからね、これからも一緒にお鍋しよーね」


「あぁ、そうだな。最近の鍋は種類も多いみたいだし、他のも食ってみたい」


「そうそう!あんなにいっぱいお鍋の素があってびっくりしちゃったね!」




なんていって笑いやがる。

昔からずっと敵わないって思わされる笑顔。

というか、まずコイツには絶対にかなわねぇ・・・




「でも、何よりびっくりしたのはシズちゃんがトムさんに付き合いことになったって報告したことなんだけどねー」


「言いたくなったんだ。トムさんは俺の話とか結構聞いてくれてたんだよな」


「へぇーどんな話してたのかトムさんに聞いてみちゃおっかなぁー!」


「なっ」


「ん?そんな反応するってことは私に聞かれちゃまずいようなこと話してたなぁー!!」


「いや、それはない・・・はずだ」


「なぁーんだ。可愛いシズちゃんみれるかなぁーって思ったのに」


「なんだよ、それ」


「んーつまりはね、私はシズちゃんのことが大好きってこと」




・・・あぁ、やっぱりかなわねぇ・・・











† 俺、今きっと世界一の幸せ者なんだろうな †

(ホントはチューもしたかったんだけどね!)



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