† 血塗れな君と俺 †
「・・・え?」
目の前にはナイフを持った女の子。
目が赤くて・・・
とても、正常じゃない感じ。
「愛してる、愛してるわ」
おかしい。
何かがおかしい。
そうだ、私は愛される覚えがない。
この名前すら知らない、初対面の女の子に。
◇◇◇
「ははっ思惑通りだ」
君はこういう時は意外に俺の思い通りに動いてくれるよね。
を罪歌の子どもと対面させるように仕向けたのは俺だ。
があれらと同じように罪歌になればシズちゃんをが殺してくれるかもしれないからね。
ナイフが5ミリしか刺さらないシズちゃんだけど。
・・・あぁ、斬られたようだ。
さぁ俺を楽しませてよね。
「やぁ、」
「だから、毎回同じ登場は飽きるって」
・・・意外に普通だね。
瞳の色も変わっていない。
赤い罪歌の瞳には。
斬られたはずなんだけどね。
「あーうるさいなぁー。ちょっと黙ってくれないかな」
「俺はまだ何も言ってないけど?」
「あぁ、臨也じゃないよ。別の声・・・あーなんかこの傷の所為かな」
「へぇ・・・」
「そーいえば、臨也ってナイフ常備してたよね?ちょっと貸してよ」
「ナイフなんてどうするつもりさ」
「刺すの」
「は?」
「なんとなく、大丈夫な気がするから早く貸して」
「嫌だよ」
君は罪歌になるべきだ。
俺のために。
だから、保証はないけどナイフを貸す気はないよ。
俺が楽しくないからね。
「なんでよ」
「俺が面白くないかな」
「あっそ。じゃあいいや」
「簡単に諦めるんだ」
「よく考えたら別にナイフで抉る必要もないだろうし。抉るくらいなら自分でできる」
「は?」
そう言って彼女は自分の爪を罪歌に斬られた傷に立てた。
あぁ!
君はやっぱり予想外の行動をしてくれるね!
だから君が愛しくて仕方がないよ!!
「あー痛い、死ぬほど痛い」
「よく言うよ。君は自分からナイフに刺さってくる人間じゃないか」
「あれはシズちゃんがいたからできる行動だったんですー。あー痛い」
滴る雫。
それは真っ赤な雫。
血。
「はぁ・・・仕方ないなぁ」
「え?」
「ほら、行くよ」
「意味わかんないんだけど」
「わかりなよ」
の腕を掴んで歩き出す。
血が流れる腕を掴めば俺の手も血に濡れる。
ははっ!
彼女の血に穢されるのは悪くない。
「ちょっと臨也!痛いんだから腕を掴むな!!」
「多少の止血になるでしょ」
「えぇー臨也菌が傷口から入りそうで嫌だ」
「人をばい菌みたいに言わないでくれる?」
「だって臨也ってウィルスっぽいじゃん」
「可愛くないなぁー君は。ほら、タクシー乗って」
「臨也に可愛いなんて言われても嘘っぽいから嬉しくともなんともないでーす」
「でも、シズちゃんなら信じるんでしょ?」
「当然でしょ。シズちゃんはホントのことしか言わないもん!!」
「確かにシズちゃんは単純な脳細胞してるからね」
「シズちゃんのこと悪く言ったら怒るよ」
「もう怒ってるじゃないか」
「お客さん、どちらまで?」
「あぁ、この住所のマンションまで頼むよ」
俺の携帯に映し出された新羅の住所を見た後、
俺が掴むの腕を見、一瞬目を見開いた運転手は何もなかったかのように視線をそらす。
カタギじゃない人間には関わらない。
賢明な判断だろうね。
まぁ・・・言えば、この子は十分カタギの人間なんだろうけど。
だけど、それをこの腕から滴る血が否定する。
「新羅のマンションまで行ってどうするつもりよ」
「決まってるだろ、その腕の治療だよ」
「・・・なんで臨也が私のことタクシーにわざわざ乗せて連れて行くわけ?」
「そんなの・・・」
・・・君だから放ってもおけない、なんてことは言わないよ。
言っても仕方がないことだからね。
全く・・・
けしかけたのは俺だっていうのに、結局この有様。
「ねぇ」
「何?」
「もう声は聞こえてないわけ?」
「聞こえないよ。爪立てた瞬間に消えた」
「あぁ、そうかい」
「いったいなんだったんだろ、あの女の子」
「さぁね」
「嘘つき。全部知ってるくせに」
鋭いなぁ。
変なところ鋭いのはシズちゃんにそっくりだよね。
まぁ、シズちゃんよりか幾分ものほうがマシだけどね!
「着きましたよ、お客さん」
「あぁ、ありがとう。ほら、君は先に新羅の部屋まで行きなよね」
「はいはい、わかりましたよーっだ!」
† 血塗れな君と俺 †
(知ってる?俺は、実は・・・君に結構弱いんだよね)
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