† 二人で居たら、悲しみも半分、楽しみは2倍 †
「何作るんだ?」
「え、お鍋。野菜とかお肉とか切ってお鍋の素入れてグツグツ煮込む!」
「あーなんていうかお前らしい料理だな」
「どーせ、繊細な料理はできませんよーっだ!てか、できる気もしない」
「ははっフォローもしてやれねぇーわ」
お、静雄とちゃんじゃねぇーか。
二人で買い物とは・・・
なんか、新婚みたいだな。
「シズちゃん野菜何入れたいー?」
「一人で鍋なんかしねぇーからわかんねぇ・・・」
「んーあ、白菜安い気がする。あとエリンギにしよ・・・ネギもいるかなぁー」
「ネギな」
「あ、シズちゃん。青ネギじゃなくて白ネギね」
「おぅ」
「えっとーあとはお肉かな?豚?牛?鶏?私的には鶏がいいなぁー」
「じゃあ鶏で」
「何味にしよっか?最近、お鍋の素って種類多くて迷っちゃうねー」
「・・・これ、全部鍋の素か?」
「うん。シズちゃんなんか気になるのあるー?」
「多すぎてわかんねぇ・・・」
「あはっシズちゃん買い物できない人だー!」
「人のこと言えねぇだろーが!!」
「ごもっともで・・・あっトムさんだ」
「どうも、トムさん。トムさんも買い物っすか?」
「おぉ、悪いな。邪魔する気はなかったんだが見つかっちまった」
「え、全然邪魔されてないですよー!!」
「そうっすよ」
「あ、そうだ。トムさん、この前はありがとうございました!奢ってもらっちゃったみたいで」
「あぁ、覚えてたのか?」
「全然覚えてないんですよねぇー。申し訳ないですが」
「ははっそーか。ちゃん結構呑んでたもんなぁー」
「美味しいお寿司だったんでついお酒が進んじゃって」
「あ、トムさん」
「どーした?」
「その・・・・・・もう一度付き合うことになったんです」
「・・・ちゃんと、だよなぁ?」
「はい」
「よかったじゃねぇーか!」
そうか、もう一度付き合うことになったのか。
通りで嬉しそうに見えるわけだ。
「なんか、そうして二人でカート押して歩いてるとまるで新婚みたいだな」
「なっ」
「あはっシズちゃん顔真っ赤だー!!」
「うるせぇ・・・!!!」
ははっ結局のところ、ちゃんのほうが強いってわけか。
まぁ仕方ねぇか。
女は強いって言うしな。
「で、今日は鍋か?」
「そーなんです!なんか、お勧めのお鍋の素ありませんか?」
「あー・・・前に食べたが、豆乳鍋って結構美味かったな」
「よし、シズちゃん。今日は豆乳鍋にしよう」
「おぅ」
「トムさん、ありがとーございます!」
「買うもんこれで全部か?」
「あ、イチゴミルク欲しい。シズちゃんも牛乳買う?」
「あぁ、そーいやなくなりかけてたな」
「じゃあ、トムさん。またシズちゃんの話聞かせてくださいねー!」
「任せとけ」
静雄もちゃんも嬉しそうで何よりだ。
本当にお互いに好き合ってる感が出てるもんな。
「じゃあ、トムさん。また明日」
◇◇◇
「ねぇ、正臣」
「どうした?帝人。綺麗なお姉さんでも発見してナンパする気になったか?!」
「正臣と一緒にしないでよね。そうじゃなくって!あれ!」
「あれ?・・・・・・・・・うわっ静雄じゃん」
よし、あっちには近づかない。
これがルール。
俺的ルール!
「てか、静雄が女連れとか珍しいな」
「しかも、一緒に歩いてる人ってこの前正臣がナンパして断られた人じゃない?!」
「あー・・・あの時のハンズ探してた人な」
あの人は可愛い人だった。
うん、まれに見る可愛い人。
「静雄さんの恋人とかなのかな?!」
「あの静雄に恋人?!そんな浮ついた噂はまだ聞かないけどなぁー」
それこそ、そんなことになれば噂も立つはず。
何せ、あの平和島静雄だ。
・・・・・・新宿の情報屋が黙ってるはずもない。
「ま、関わらないに越したことはないさ」
そうだ。
関わらないほうがいい。
平和島静雄はある意味、折原臨也に近いからなおさら。
† 二人で居たら、悲しみも半分、楽しみは2倍 †
(幸せそうで何よりだ。・・・よかったな、二人とも。)
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