† 勝てるとは思ってない、だけど負ける気もしない †











「あーよかったぁ。シズちゃんのおかげでしっかり片付いちゃった」




シズちゃんは臨也がやりやがったからか、何にも気にもしないで花とか羽根とかゴミ袋に突っ込んでくれたもんね!

臨也ムカつくとか、臨也死ねとか素敵なお言葉つきで!

ホント、シズちゃんに愛されてるよねぇ臨也って!

さんはちょっと嫉妬してしまいそうだよ!




「このゴミ袋、どーすんだ?」


「あ、どーしよっかなぁ?臨也に送り返してもいいんだけどね」




臨也の家、知らないけど。

その気になれば誰か知ってるでしょ、きっと。

てか、殴りに行く気満々だったんだからシズちゃんも知ってる可能性高いか!




「面倒じゃねぇ?」


「面倒。臨也の住所なんて知らないし、調べること自体が面倒」




正直、シズちゃんに聴くことも面倒です。

あ、シズちゃんと話するのが面倒ってわけじゃないんだよ!

シズちゃんとは話したい、むしろずーっとしててもいいくらい!

でも、臨也の名前が出た瞬間どっかーんになりかねないシズちゃんです。

今でも会話に名前が出てきただけで青筋立ててるんだからね!




「捨てればいいだろ」


「でもちょっと勿体無くない?花とか羽根には何の悪気もないだろーし」




むしろ、花とは羽根は被害者だね!

臨也のお遊びに無理やり付き合わされた被害者だよ!




「あー・・・幽にでも言ってみるか?」


「え?幽くん?」


「あぁ、アイツのマンション部屋余ってるって言ってたし」


「幽くんかぁーテレビで最近よく見るね」


「ちょっと連絡してみるわ。繋がんねぇかもしれないけど」




幽くんかぁー。

ホント最近、テレビによく出てるよねー。

密かにファンなんだよ、私!

シズちゃんの弟ってこと抜きで、幽くんの演技とかいいなぁーって思うもん!




「あ。幽か?今、大丈夫か?」


「うん、どうしたの?」


「頼みがあるんだけどさ・・・」


「何?」


「赤い花とか羽根がゴミ袋3つ分くらいあるんだが、お前の家に置かせてくれねぇーか?」


「いいよ」


「サンキュ!今から持って行っても大丈夫か?」


「うん、今日は家にいるからいつでも」


「悪いな」


「じゃあ、待ってるから」


「おぅ、すぐ行く」




おっなんか交渉成立っぽい?!

幽くん久しぶりだなぁー。

それこそ、5年ぶりくらい。

でも、シズちゃんとは違ってテレビで見てたもんねー!

さすがにミーハーでサインとかお願いしたら怒られるかなぁ?

てか、そういうの嫌だよね普通。

・・・よし、このゴミ袋はシズちゃんに任せよう。

私が一緒に行ったらミーハー心が勝ってしまう!




「幽、いいってさ」


「よかったぁー」


「じゃあ、行くか」


「え?」


「早く持っていこうぜ」


「・・・私、一緒に行ってもいいの?!」


「いいだろ?」


「えぇーでも、私ってばミーハーだよ!幽くんのファンだよ!」


「は?」


「だってテレビでずっと見てたもん!だから、絶対サイン欲しいとか空気読めないこと言うもん!!」


「まぁいいんじゃねぇ?サインの一つや二つ」


「えぇー」


「てか、幽にもお前のこと紹介したいし」


「へ?」


「まぁ、何回も高校のとき逢ってっから改めてって感じだけどな」


「ちょっと待ってシズちゃん。私、よくわかんない」


「は?」


「なんで、幽くんに紹介?」


「・・・・・・いいだろ、家族に紹介したって」




それって!それって!!

えぇ?!

もしかして、結婚?!

今のは遠まわしなプロポーズ?!

再開してまだ3日くらいだよ!!




「私、今もしかしてシズちゃんにプロポーズされてるって展開?!」


「は?・・・プロポーズ・・・?!」


「ありゃ、違った?」




シズちゃんの反応がぽかーんって感じ?

しまった、間違ったっぽい。

これは非常に恥ずかしいぞ。




「いや、まぁ・・・いずれはそうなればいいって思うけどさ。・・・まだ早いだろ」


「うん、私もそう思う。これからシズちゃんといっぱいデートとかするんだもんねー!」


「なっ」


「あははっシズちゃん顔真っ赤だぁー!手繋いでラブラブしよーね!」




シズちゃんと手繋いでラブラブデート!

そういや、高校のときは手繋いだ覚えがあんまりなんだけど。

多分、シズちゃんが怖がって手繋がらなかったんだろうなぁー。

抱きしめてはくれたのにねぇー。




「あ、幽くんケーキとか食べるかな?」


「は?」


「このゴミ袋置かせてもらうお礼。ケーキくらいじゃダメかなぁー?」


「いや、いいんじゃねぇ?そんな気使うこともないと思うけどな」


「いやいや!やっぱりお礼は必要だよ、これ置かせてもらうんだもん」




いくら綺麗でも、所詮はごみだし。

捨てるの勿体無いから無理にお願いして置かせてもらうんだもん。




「というわけで美味しいケーキ屋さん寄って幽くんの家に行こうー!!」




















◇◇◇






















「うわぁーうわぁー色とりどりで美味しそう!てか、シズちゃんよく知ってるね」


「昨日、仕事中に通りかかってトムさんが美味いって言ってたからお前を連れてきてやろうと思ってたんだ」


「なっ」


「なんだよ、悪ぃかよ」


「逆逆!めちゃくちゃ嬉しいー!!」


「そーか」


「シズちゃんってなんていうか・・・女の扱い手馴れてるよね」


「は?」


「私は翻弄されちゃってるよ!!」


「・・・お前だからだろ」


「シズちゃんずーるーい!!」


「は?」


「ズルイズルイ大好き!」


「なんだよ、それ」




てか、ズルイのはお前だろーが!!!

・・・大好きとか言うのは反則だろ!!

絶対、俺のほうが翻弄されてる。




「あ、シズちゃんどれがいい?幽くん何が好きかなぁー」


「何でも食うだろ」


「んーじゃあ、シズちゃんが食べたいの選んでよー。3つくらい」


「これとこれと・・・あと、これ」


「えっとーじゃあ、これとこれも!よし、これくらい買えば一つくらい幽くんが好きなものあるよね」











† 勝てるとは思ってない、だけど負ける気もしない †

(ホント・・・絶対敵わねぇ・・・)



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