† 好きです。止められないぐらい、もうこの感情を抑えられないんです †
「うー」
「・・・まだ決まんないのか?」
「シズちゃん私が優柔不断だってこと知ってるでしょー」
「まぁ知ってるけど」
「あーどうしよ、どうしよ。なんでこんな種類多いんだろ」
種類が多すぎる。
2種類くらいの取捨選択だったらよかったのに!なんて今更遅い。
だってこの店選んだのは私。
他でもない私。
我侭押し切ってパスタという道を選んだのは私ですよ!!
「あーもう、決まんない決まんないよー」
「好きなの選べばいいだろ」
「乙女心わかんないシズちゃんのバカヤロウー!」
「だからわかるわけねぇだろ!!」
うん、ごめんなさい。
単なる八つ当たりです、ごめんなさい。
あー決まんない、決まんない。
クリームもいいなぁーでもカロリー高いんだよなぁー。
和風かなぁーでもなぁー。
あーミートもいいなぁー・・・あ、でも今日の服白いワンピースだ。
「シズちゃーん、なんかごめんねー」
一人で悶々して、シズちゃんに八つ当たり。
悪気は全くないんです。
シズちゃんと二人きりってことで今更空回りを始めてるだけなんです。
あーもう、どうしたらいいのよぉ!
「あー気にすんな。わかってるから」
「・・・・・・え?」
ちょっと笑ってシズちゃんは私の頭を撫でた。
これは私だから特別?
私だけにしてくれること?
「ゆっくり選べよ。俺はいつまでも待っててやるから」
「・・・シズちゃん」
「ん?」
「だいすき」
「・・・・・・あぁ、ありがとな」
ねぇ、わかってる?
私がシズちゃんのことどんだけ好きなのかわかってる?
好きだよ、ずっとずっと・・・ずっと。
何年も何年も片想いするくらい大好き。
ねぇ、伝わってる?
「なぁ、」
「なぁに?」
「後で話したいことがあるんだけどさ」
「あとで?」
「あぁ、飯食ってからな」
「・・・うん。・・・・・・決まった、パスタ」
「じゃあ注文するか」
「うん」
シズちゃんの話したいことってなんだろ。
ちょっと、聞くの怖いなぁ・・・
だって、ねぇ?
◇◇◇
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
このままでいい、このままがいい。
そう訴える俺の感情とは裏腹に、俺は踏み出してしまった。
このままでいい、このままがいい。
わかってる、それくらい。
黙れ、黙れ、黙れ・・・俺の感情。
「あの、シズちゃん?」
「ちょっと待ってくれ」
「・・・うん」
わかってんだろ、平和島静雄。
このままじゃいけないってことくらいさ。
変えてやるんだ、俺がを。
今度こそ、俺がずっと傍で守りたいんだ。
「・・・正直、怖いんだ」
「え?」
「昔みたいにお前のこと壊しちまうんじゃねぇかって」
あの肩の傷が物語る昔の傷痕。
俺がを壊しちまった証。
「だけど、・・・好きなんだ。お前のことが好きでどうしようもねぇんだよ」
離れてた時間は決して想いを薄れさせることもなかった。
ずっと、鮮明に忘れられない想い。
それが、また、俺の目の前にお前が現れたことで爆発した。
「誰かにお前のこと取られちまうなんて考えたくねぇ」
独占欲。
溢れ出した想いはもう止まんねぇ。
「だから、もう一度俺と・・・付き合ってください」
二度目の告白。
顔が上げらんねぇ、の顔が見えねぇ。
「・・・・・・うれしー」
「・・・・・・え?」
「シズちゃん、好きだよ・・・大好きだよぉ」
顔を上げれば泣きじゃくるの姿。
でっけぇ目から涙が溢れる。
こんな光景見たのはあの時以来だ。
でも、この涙はあの時とは意味が違うって思ってもいいんだよな?
「返事、聞かせてくれるか?」
「シズちゃんとお付き合いさせてください」
「なんだよ、その返事は」
「だって、ホントに嬉しいんだよ。嬉しすぎて嬉しすぎてどうにかなっちゃいそう」
なんだよ、この可愛いイキモノは。
・・・抱きしめたくなっちまうだろーが。
「シズちゃんシズちゃん、ぎゅーってして。私、嬉しすぎて飛んでいっちゃいそうだから」
「・・・あぁ」
震える小さな身体を抱きしめた。
あのころと変わらないちっせぇ身体。
今度こそ、ずっとずっと守るんだ、俺が・・・ずっと。
「シズちゃん、大好き」
「・・・俺も好きだ」
† 好きです。止められないぐらい、もうこの感情を抑えられないんです †
(・・・絶対に俺が守る。壊さない壊させない、必ず俺が守る、から)
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