† 無理やり奪っても意味がないのは知っている。それでも、俺は †











「やったね、シズちゃん!臨也を撃退したよ!」


「・・・・・・」


「シズちゃん?」


「・・・あんま、ノミ蟲に近づくなよ」


「え?」


「なんか嫌なんだよ。お前がノミ蟲と話てんの見るの」




・・・って!!!

何言ってんだ、俺!!

これじゃあまるで、俺が臨也の奴に妬いてるみたいじゃねぇか!!!!

・・・・・・。

いや、あながち間違いではないけど・・・

好きな奴が別の男、しかもノミ蟲と話てんの見たらイラつくに決まってる。




「おい、なんか言えよ」


「え、あ、うん。嬉しすぎて言葉になりませんです」


「は?」


「シズちゃんが臨也に嫉妬でしょ?」


「や、妬いてなんかねぇ!!!」


「えぇー違うのー?」


「・・・違うとも言い切れねぇけど。ってそんなこと言わせんな!!!」


「あはっシズちゃん可愛いー!顔真っ赤だよー!!」




・・・なんで俺、コイツのこと好きなんだ?

性格が特別いい訳ではない。

人のことからかうわ、笑うわ・・・あまりいい方でもない。

むしろ、悪い。




「シズちゃん?」




上目遣いに見上げてくる姿は正直、ズルイだろ。

女ってみんなそういうもんなのか?!

・・・少なくとも俺の知ってる女ではそんなことしてくるのはコイツくらいだ。




「笑ってごめんなさい、怒ってる?」


「・・・怒ってねぇーよ」


「よかったぁー」




・・・安心して笑う顔はズルイ。

なんていうか、言葉になんて表せねぇくらい・・・やっぱ好きなんだ。

コイツの全てにきっと俺は惚れてる。

上目遣いに見つめてくる姿も、嬉しそうに笑う顔も、の全てに。




「ねっねっシズちゃん。お昼ご飯の時間だよね?」


「もうそんな時間か」


「うん。というわけで、ご飯食べに行こうー!靴買ってくれたお礼に私が奢っちゃう」


「お、おい!待て!走んな!」


「ねぇーシズちゃんっ」


「ん?」


「何食べたい何食べたい?私はなんだかパスタな気分だよー!」


「つまりはパスタになるんだろーが!」


「えぇーそんなことないよー」


「そんなことあるだろ。お前は昔からずっと・・・言い出したら聞かないんだからな」


「あはっ!シズちゃんだーい好き!」





















◇◇◇





















「シズちゃんも後一歩の押しが足りないんだよなぁー」




そして、も鈍い。

鈍すぎる。

あんなにシズちゃんがおおっぴらにのこと好きだって言ってるみたいなもんなのにさーからかって話終了。

さすがにシズちゃんもそのまま話を戻すタイプでもないしねぇ。

お互いに素直に受け入れちゃえばいいのに。

そうなればそうなったで俺が面白いし。




「シズちゃんがその気にならないなら俺が奪っちゃうよー?・・・なんてね」




のことが欲しい?

そう聞かれれば俺は迷わず欲しいと答えるね。

のことは欲しい、欲しい、欲しい・・・けど、恋人になりたいわけではない。

ただ、という人間を俺は愛しているだけ。

もちろん、その他大勢の人間と一緒にする気はないよ。




「あーあ、ホントまた付き合わないかなぁーあの二人」




そうなれば俺にとって面白い日常が始まる。

あの高校時代のように、ね。

また始めようじゃないか、愛に歪んだ楽しい毎日を!










† 無理やり奪っても意味がないのは知っている。それでも、俺は †

(あーあ、本当に愛してるよ、)



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