† 好きな子の前じゃ、皮肉も無意味 †










「あーあ、何が嬉しくて臨也とお茶なんてしてるんだろ」


「普通に注文しといてよく言うよ」


「アンタが私の腕思いっきり掴んで離さなかったからでしょ」




・・・あぁ、俺なんでこの子のこと好きなんだろ。

顔は可愛いと思うよ。

恐らく俺が今まで出逢ってきた女の子の中で一番俺の好み。

でも、性格はそんなにいいわけではない。

特に俺に対しては死ねとか殴るとか普通に言うし、可愛げもない。

おまけに今でもシズちゃんのこと好きっぽいし。

最悪だよね。




「あーあ、早く7時にならないかなぁー」


「君、自分に正直だよね」


「うん。臨也に対しては特にね」


「うわっ嬉しいなぁー。俺が特別なんだ」


「だってアンタに対してどうこう考えたって無駄だろうし、面倒」




・・・こういうところが好きなのかもね。

素直と言うか、敵視と言うか・・・

愛と憎しみは紙一重、とも言うし。

歪んでるなぁ!!




「で、なんなの?」


「え?」


「スタバにまでわざわざ連れてきたってことは、私になんか話したいことでもあるんでしょ?」


「・・・別に、」


「は?」


「ただ、久しぶりに逢ったから誘ってみただけだよ」




そう、別に話すことなんてない。

たまたま通りかかった池袋に見つけた見知った人間。

しかも、それが・・・長年恋焦がれている片想いの相手となれば話しかけるでしょ。

だから、ただそれだけ。




「ふーん。・・・じゃあ、こっちから質問」


「何かな?答えられることなら答えてあげるよ」


「結局のところ、私の部屋に散りばめられた花とか羽とか何?どーいうつもり?てか、なんで家に入れるわけ?」


「君のイメージのものを散りばめただけだよ」




君のイメージは真っ赤な花と真っ白な羽根。

だからそれを部屋一面に散りばめてみただけさ。




「何よ、その嫌がらせ」


「心外だな。俺はに似合うと思ったからわざわざ用意してあげたのに」


「意味わかんないし」


「気に入らなかった?」


「気に入るわけないでしょ。てか、一応聞くけど・・・盗聴器なんて仕掛けてないよね?」


「ないよ。俺は盗聴器よりもカメラ派だからね」


「・・・ちょっと待て。つまりは盗聴器はないけど、カメラはあるってこと?!」


「まさか。俺はただ自分の好みを言っただけだよ。俺は何も仕掛けてない、花と羽根を散りばめただけだよ」


「それならいいけど・・・ってよくない!絶対掃除とか大変なんだって、しかもちょっと綺麗だったから捨てにくい」


「君、物を捨てられないタイプだよね」


「だって捨てにくいじゃん。ねぇ、普通に引き取ってよ。で、他のところに再利用してよ」


「じゃあシズちゃんの部屋にでも」


「やめて。家が崩壊するから。てか、シズちゃんが可哀想過ぎる」


「君、本当にシズちゃんのこと好きだよね」


「好き好き、大好き」




あームかつく。

シズちゃん今すぐ死んでくれないかなぁ・・・




「・・・あぁ、。君にいいことを教えてあげよう」


「え?」


「もう、7時5分前だよ」


「え?えぇーー?!なんで?いつの間にそんな時間経ってんの?!」


「ちなみに君の待ち合わせの相手はシズちゃんかい?」


「そうだけど・・・!なんで・・・っ」


「いーざーやーくんよぉ!!池袋には来んなって言ったよなぁ?!」


「やぁ、シズちゃん。偶然だね」


「テメェがなんでといるんだぁ?!」


「別にいいじゃん。はシズちゃんのものってわけでもないし」


「・・・・・・」




俺の一言に面白いように反応するシズちゃん。

あははっ!

君は君で本当にのことが好きなんだねぇ!




「あ、。俺のキャラメルマキアート持っててよ」


「あ、うん」


「さぁ、シズちゃん。面倒だけど表に出ようか」




なんか、シズちゃんと俺でのこと争奪戦してるみたいだね!

そう、まるで、

高校時代に戻ったみたいだよ。




















◇◇◇




















PiPiPi...





タイミングいいなぁー新羅。

臨也とシズちゃんが表に出た瞬間に鳴る私の携帯。




「もしもし?」


「今、大丈夫かい?」


「うん、今からシズちゃんと臨也の壮絶大戦争が始まりそうだけどね!」


「あー・・・また来てたのか。池袋に」


「しかも、さっきまでスタバでお茶してたんだよねぇ」


「君も何してるのさ」


「私は不可抗力なんだよ!」




だって、臨也が全部悪いんだもんね!

注文するとき私の腕、思いっきり掴んでたし!

だから、思わずカフェモカ注文しちゃったし!




「まぁいいけどね、俺は。とりあえず、君の部屋から盗聴器もろもろは見つからなかったよ」


「うん、ありがと。丁度よかったからやりやがった本人にも聞いてみたら何も仕掛けてないって言ってた」


「うわっそれじゃー俺ってば無駄な労働じゃない?」


「だいじょーぶ大丈夫。臨也の言葉だけじゃ信じないから、私」


「なるほどね。まぁ、適度に御礼は期待してるよ」


「あはっセルティにね!」


「うん、セルティにでいいよ」


「じゃー新羅。私はもうちょっと近い位置で喧嘩見物しようと思うので切るねー」


「あぁ、怪我しない様にね」


「はぁーい!ありがとね、新羅!」










† 好きな子の前じゃ、皮肉も無意味 †

(セルティにお礼何しよっかなぁー。私今ポケモンしてるから、ソフト渡したら一緒にしてくれないかなぁー)



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