† 好きな子ほどかまいたくなる †










「よし、到着。あーでもまだ早い」



ただいまの時刻6時。

来良の子たちのおかげでしっかり、ハンズ前まで到着。

待ち合わせまであと一時間。

ちょっと本屋さんでも行こうかなぁー。

さっき、ここまで来る途中に見つけたし。

あそこからだったらここまで迷わずに戻ってこれるし。




「やぁ」


「・・・・・・」




よし、無視しよう。

黒い塊があるだけ、黒い塊があるだけ・・・

これは黒い塊、黒い置物、決して、折原臨也とかいう人間じゃあない。




「え、無視?普通に無視しちゃってる?!」




よし、やっぱり無視で。

折原臨也は無視するに限るよね!

さぁ、私の目指すは本屋さん!




「ちょっと待とうよ!!てか、無視はやめてよね!」


「私は何も見てない、聞こえてない。折原臨也なんて見てない」


「しっかり見えてるじゃん」


「ちょっと掴むな」


「じゃあ、待とうか」


「・・・何よ」


「そんなに睨まないでもらいたいね。久しぶりに逢った同級生じゃないか」


「・・・あー殴りたい。一発殴っていいかな、顔面希望で」


「そんなこと俺に直接言ってくるのは君とシズちゃんくらいだよ」


「臨也なんて女に恨みつらみで刺されて死ね」


「君になら刺されてもいいかな」


「は?私はそんなことしないし」


「あぁ、しないんだ」


「だって臨也殺してもなんのメリットもないし・・・あーでも、シズちゃんが幸せになるね」




そうだ。

臨也が死ぬ=シズちゃんが幸せ。

ってことは=私も幸せ。

あれ?すごいメリットじゃない?




「前言撤回。やっぱり死んで臨也、私の知らないこところでね」


「嫌だよ」


「むぅ」


「君、変わらないよね」


「なっ」


「相変わらず小さいし」


「殴るよ、臨也」


「高校のときと全然変わってないよね。・・・あぁ、でも化粧が濃いか」


「アンタのその性格も全然変わってないね、っていうかむしろ悪化してる?」


「てか、そろそろ睨みつけのやめてくれない?」


「睨まれるのはちゃんと理由があるんです。自分の胸に手を当てて考えやがれ」


「あー気に入ってくれた?花とか羽根とか散りばめるの結構大変だったんだよ」


「それはそれは無駄な労力ですね!てか、なんで私のマンション知ってるわけ?」




私だって知らなかったのに!!

マンション探しやら、契約やら、引越し屋の手配まで全部何もかも新羅に任せたから迷子になったっていうのに!




「俺は情報屋だよ」


「は?」


「新宿の折原臨也って結構有名なんだけどなぁ・・・その筋では」


「自惚れんな」


「自惚れてないよ。まぁ何か知りたいことがあったら教えてあげるよ、格安で」


「じゃあ、臨也がくたばる方法をぜひ教えて、即効実践するから」


「それは教えてあげれないなぁ」


「・・・・・・」


「てか、自分の弱点を他人に教えてる人間がどこにいるのさ」


「まぁ別にどーでもいいよ。臨也に興味ないし」


「それはさすがに俺も傷つくんだけど」


「あぁ、そーですか」




今何時だろ?

え、まだ6時15分?!

なんで時間経ってないの?!

コイツ、結構ぺらぺら喋ってたよ!!




「あぁ、立ち話もなんだね。スタバでも入ろうか」


「は?」


「奢ってあげるから行こう」


「いや、ちょっと待ってよ。私、待ち合わせしてるんだから!!」


「でも、相手はまだ来ない。待ち合わせ時間は7時、夕食でも食べるための待ち合わせってところかな」


「・・・・・・」


「あぁ、図星?」


「ムカつく」


「ははっ!君のその心底ムカついてるって顔が好きだよ。ほら、つもる話もあるだろう?」


「ない、アンタと話すことはないでーす」


「知りたくないわけ?大好きなシズちゃんの女性関係とか」




シズちゃんの女性関係かぁ・・・

知りたい、非常に知りたい。

だけど、臨也に教えてもらうくらいならシズちゃんに直接聞く!!

シズちゃん素直だから絶対に聞いたら答えてくれるもん!!




「いらない!」


「えーそれは残念だ。とりあえず、スタバ行くよ。俺、のど乾いたし」


「一人で勝手に行きやがれ」


「はーい!無理やりにでも連れて行くことけってーい!!」




















◇◇◇




















「ただいま」


「お帰り」


「珍しいね、君が僕を出迎えてくれるなんて!はっ!もしかしてやっと僕の想いが・・・!!」


の部屋は大丈夫だったのか?」


「あぁ、なるほどね。それが聞きたくて待ってたんだね」




少しショックだな、いや、カナリショックだな・・・

セルティがのこと超絶気に入ってることも知ってるけど。




「とりあえず、盗聴器とかそういう類のものはなかったよ」


「そうか、よかったな」


「でもね、結構ひどい状態だったよ」


「は?」


「床とか部屋一面に散りばめられてる花とか羽根がね、壮絶だった」




下手したら、盗聴器が合ったほうがまだマシだったんじゃないかって思えるくらい。

いや、ないにこしたことはないんだけど。

ホント、歪んでるね。










† 好きな子ほどかまいたくなる †

(臨也の愛情表現って色んな意味で歪んでてわかりにくいよね。しかも伝わってない)



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