† 互いが互いを好きなのに、それを伝える方法を知らない †
あーねみぃ・・・
結局、一睡もできなかった。
・・・初めて家に泊めたのが、なんてな。
てか、今すぐ臨也の野郎をぶっ殺してぇ・・・
そういや、アイツ部屋の片付けとかどうするつもりなんだ?
調度品は運ばれて設置されてるみたいだったけど。
アイツちっせぇし力もねぇーし、一人では無理だろうなぁ・・・
・・・手伝ってやろうかな。
とりあえず、あの花やら羽根やらから。
「ほら、朝飯」
「ありがとー嬉しすぎる」
「大袈裟だな。てか、あの部屋どうするつもりなんだ?」
「あー新羅にでも相談して片付けてもらおうかと。部屋の掃除だけならまだ何とかなるんだけど、ホントに盗聴器とか合ったら嫌だし」
「ちょっと今から臨也ぶん殴ってくるわ」
「あはっそれは素敵だね!私も一発殴りたい。盗聴器とかマジあったら絶対殴る」
「あのノミ蟲を殴りたいなんていう奴、女ではお前くらいだろうな」
「えーそうかな?アイツは絶対に女に恨みつらみで刺されるタイプだよ」
「ははっ確かに」
あーやっぱ、好きなんだよな・・・
コイツのこと。
「シズちゃん。トーストもコーヒーも美味しい」
「いや、普通の食パンとインスタントコーヒーだけどな」
「きっとシズちゃんと一緒だからだろうね」
・・・なんて言って、笑いやがる。
やっぱコイツ、ずるいよな。
そんな風に言われたら、誘いたくなっちまうだろーが。
「今日さ・・・」
「ん?」
「夕飯一緒に食わねぇ?」
「え?」
「嫌だったらいいんだけどさ・・・結構美味い寿司屋があんだけど」
「行く!行きたい!絶対いく!!」
「じゃあ、決まりな。仕事終わる時間とか決まってんのか?」
「んー多分、定時に終われると思うから。6時以降ならシズちゃんに合わせるよ」
「なら、7時に池袋のハンズ前でいいか?」
「うん!あ、そーだ。シズちゃん連絡先教えて」
「変わってねぇーよ」
「あ、奇遇だね。私も変わってないんだー」
「・・・マジ?」
「うん、マジ」
「そっか。じゃあなんかあったらまた連絡する」
「うん!シズちゃんならいつでも大歓迎だから今日に限らず連絡してね!」
◇◇◇
「あ、もしもし?新羅?」
「珍しいね、君が電話とか。お昼休み?」
「うん」
「で、どうしたわけ?」
「あのね、ちょっと頼まれて欲しいんだけどー」
「何?」
「私の部屋に盗聴器とか仕掛けられてないか調べといてー。新羅、鍵持ってるでしょ?」
「持ってるけど、なんでまたそんなことを?」
「いやーちょっと臨也に荒らされててさー家」
「あー・・・」
納得。
妙に納得。
アイツは歪んでるから、盗聴器やら仕掛けてても笑えない。
てか、本当に、
臨也ってのこと好きだよねぇ・・・カナリ歪んでるけど。
そして、には全く伝わってない。
「だから、よろしく!ちゃんとセルティにお礼するから!」
「わかったよ。でも、もし仮に盗聴器でも合ったらどうする?」
「シズちゃんに壊してもらう。で、ついでに臨也のことぶん殴る!」
「あぁ、静雄に会えたんだ」
「あーそうだ。お節介ありがと!ちょっと・・・嘘、カナリ嬉しかった!」
あ、やっぱり嬉しかったんだ。
そうだろうと思ったけど。
本当に静雄のことが大好きだもんねぇ。
それこそ、お互いに。
「どういたしまして」
「じゃあ、よろしくねー!後ね後ねもう一個聞いて!」
「どうしたのさ?」
「今日ね、シズちゃんと夜ご飯食べに行くの!!」
「それはよかったじゃないか」
「うん!」
「まぁ、またいつでもおいでよ。セルティと一緒に話、聞いてあげるから」
「ありがと!セルティにもよろしくねー!!」
† 互いが互いを好きなのに、それを伝える方法を知らない †
(まぁ君は喜ぶと思ってついついお節介しちゃったんだよねぇー。静雄には内緒だけど)
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