† 大好きって気持ち、貴方にちゃんと伝わってる? †
「・・・どうした?行かねぇのか?」
「うん、今日はやめとこ。洋食が食べたい気分!」
「何だよ。さっきまで寿司寿司言ってた奴が」
「女心は変わりやすいものなんですー。あ、でもシズちゃんのことはずっと大好き!愛してるよ!」
「その言い方、ノミ蟲の野郎の言い回しに似てて殴りたくなんだけど」
「やぁーん、こわーい」
露西亜寿司に、ドタチンたちが入っていくのが見えた。
正臣くんと一緒に。
だから、シズちゃんと露西亜寿司に行くのは急遽キャンセル。
だって、きっと行かないほうがいい。
行ったら行ったで面倒なことになりそうな気もするし。
後で、ドタチンなり板前さんなりサイモンに聞いたらある程度は教えてもらえるだろうし。
「シズちゃんは洋食嫌?」
「・・・別に。食えればいいんだけどさ」
納得してないなぁーシズちゃん。
まぁそうだよね。
あーもう、シズちゃんってばこういうときホント勘が鋭い!
臨也とは違って私はそんなところが大好きなんだけどね!
もちろん、それ以外も大好きなところいっぱいあるけど!
・・・なーんて言ったら、また臨也みたいな言い回しって言われるから言わないけど!!
「んー私は今超絶オムライスが食べたい気分。2種類頼んで半分こしよ?」
「改めて言われなくてもわかってるって」
「あはっ確かに!」
「・・・後からでいいから、ちゃんと教えろよ」
「・・・はぁーい」
ホント、勘が鋭いよねー。
まぁ私がわかりやすい行動とってるだけかもしれないけど!
むしろ、愛の力で伝わってるなら嬉しい限りなんだけど!!
◇◇◇
「・・・あの人にまで戻ってきてちまった」
門田さんから教えてもらった連絡先は2つ。
ひとつは・・・折原臨也の携帯番号。
俺が知っている、俺が何度も電話をかけた番号。
もう一つは知らない番号。
これはいったい誰の番号だ?
門田さんが教えてくれた・・・ダラーズのトップを知っているだろう人間。
「・・・まさか、」
可能性は高い、非常に高い。
臨也さんがダラーズのトップを知っているなら、知っていてもおかしくない。
沙樹が言っていた通りなら・・・
臨也さんの知っている情報を知らないはずがない、人。
俺は数字の羅列を打ち出し、通話ボタンを押した。
「・・・もしもーし?」
あぁ、やっぱり。
教えられた番号は・・・さんのもの。
俺は何も話さずに、電源ボタンを押した。
◇◇◇
「どうした?」
「んー切られたっぽい。っていうか、切られた」
「は?」
「まぁいいや」
相手は紀田正臣クン。
沙樹ちゃんが教えてくれてたんだよねー何かあったときのためにって。
まさか、このタイミングでかかってくるとはねぇ・・・ドタチンが教えたかな。
その可能性が高いだろうなー大方、ダラーズのトップが誰か教えて欲しいとか言われたんだろうし。
「大丈夫なのか?」
「うん、大丈夫。ただ、確認したかっただけだろうし」
ドタチンはきっと、私だって教えて番号は教えてないだろうし。
それに、私は正臣くんと連絡先の交換はしていない。
だから、お互いに知らない。
・・・・・・正臣くんはきっと私が沙樹ちゃんから番号教えてもらってるなんて知らないだろうし。
「そっか」
「あっシズちゃん!オムライス屋サンこっちこっち!!」
「・・・本当にこっちであってんのか?」
「んー多分。前に一度狩沢ちゃんと行ったお店だから」
「・・・それって普通の店なんだろうな」
「・・・ごめん、普通じゃないかも」
「は?」
「オムライスにね、ケチャップで色々落書きしてくれる執事喫茶だった」
「・・・テメェ!!」
「ごめん、ごめん!あーやっぱり、露西亜寿司行こっか」
もう、終わってるだろうし。
「何だよそれ」
「ほら、だって今日はサービスデー。てか、私と一緒ならいつでもサービスデー!」
† 大好きって気持ち、貴方にちゃんと伝わってる? †
(ホント、シズちゃんって愛おしい!!)
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