† もし、願いが適うのなら 愛の意味を教えてください †
「杏里ちゃん、ごめんねー。私自分が思ってるほど心広くなかったや」
「え?」
「罪歌がシズちゃんのこと愛してる愛してる連発するからイラッとしちゃった」
「あ・・・」
「しかも、臨也のこと斬るしさー」
「ごめんなさい!!!」
「でも、よかったなぁー。杏里ちゃんが罪歌を支配できるようになってくれて」
罪歌にはイライラさせられたけど・・・
悪いことばかりじゃなかった・・・と思う。
現にシズちゃんは力のコントロールが出来るようになったし。
あーでもやっぱりムカつくや!!
だって、シズちゃん私に対してはちゃんとコントロールできてたもんね!!
「杏里ちゃん、ごめん」
「え?」
「やっぱり、罪歌ムカつくムカつく!!!」
「ご、ごめんなさい」
「あっ杏里ちゃんがムカつくんじゃないよ」
杏里ちゃんは可愛い杏里ちゃんは可愛い。
それに・・・ムカつくのは杏里ちゃんに支配される前の罪歌たち。
シズちゃんに愛してるを連発しやがって、臨也を斬りやがった罪歌。
今の杏里ちゃんに支配されてる罪歌じゃない。
「だいじょーぶ。杏里ちゃんには私、感謝してるし」
「え?」
「ありがと、罪歌のお母さんになってくれて」
「あ・・・」
「杏里ちゃんがお母さんだったら大丈夫だと思うの」
「さんは何でも知ってるんですね」
「うん、新宿の情報屋が知ってる情報ならなんでも知ってるよ」
もちろん、臨也が知らない情報も。
こっそり色んなところから入手してるんです、ほとんど使わないけど。
「あ、そうだ・・・折原さん、その・・・私が言うのもなんですが、大丈夫でしたか?」
「あ、うん。大丈夫大丈夫、罪歌が斬ったのはコートだけだったから」
「そうなんですか・・・?」
「うん。まぁ例え斬られたとしても私が抉れば大丈夫だしねー」
「え?抉・・・?!」
「あぁ、そっか。これはイーブンじゃないね」
「え?」
「杏里ちゃんに教えてあげる、私の特技」
それだけ言って、私は・・・
リンゴを剥いてた果物ナイフをちょこっと自分の指に刺した。
「さん?!」
「はーい、見ててねー」
で、血が出てきた指を・・・
自分の爪で抉る。
普通ならこんなことしたら、傷は深くなってもっと血が出るはず。
でも、
「え・・・傷が・・・」
「そう、これが私の特技。私が自分でつけた傷はすぐ塞がるっていうか治るの」
「本当に治ってるんですか・・・?」
「うん、どぞー。近くで見てみていーよ、触ってもいいし」
「・・・本当に傷が塞がってる・・・」
「傷つけるときに痛みがないわけじゃないんだけどね、傷が塞がったらもう痛くないんだよ」
「どうして、私に・・・」
「言ったでしょ?イーブンじゃないねって」
私は、自分で言うのもなんだけど結構な情報を知っている。
でも、杏里ちゃんは私の情報なんて知らない。
それはさすがにイーブンじゃない。
私は臨也とは違うから対等でいたいんです、人間と。
「内緒にしててね?私のこの力知ってる人も限られてるから」
「・・・はい」
「じゃあ、退院したらご飯でも食べに行こうね?お姉さんが奢ってあげちゃう」
「・・・はいっ」
コンコン。
「杏里ー!お見舞いに・・・って、さん?」
「あらあら、いつもの面々だねー」
「・・・なんで、」
「私は杏里ちゃんとはお友達なの。でも、まぁむしろお姉ちゃん的な存在希望なんだけどね!」
「杏里のお姉さん!!ぜひぜひ、お義姉さんと呼ばせてください・・・!!」
「√3点」
「なっ帝人!そりゃーひどくねぇーか?!!」
「ごめんね、園原さん。うるさくして」
「い、いえ!その・・・いつもありがとうございます」
「さーってと、じゃあ私はもう行くね?」
「さん・・・・ありがとうございます」
「どーいたしまして」
「それとごめんなさい」
「え?」
「な、なんでもないです・・・!」
「そう?」
「はい」
「そっか、じゃーまたね」
◇◇◇
「さんごめんなさい」
罪歌の子どもたちから聞いた。
この罪歌の事件の黒幕的存在のことを・・・
折原臨也・・・さん。
さんが愛してる人。
「でも、私は・・・」
もしも、竜ヶ峰くんや紀田くんを傷つけるなら、私は・・・
あの人を斬ります。
† もし、願いが適うのなら 愛の意味を教えてください †
(二人とも、私の大切な人だから。だから、ごめんなさい)
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