† 大丈夫、大丈夫 世界で一番強いのは、想いだよ †
「あ、杏里ちゃん」
「・・・、さん」
「どーしたの?ん?・・・あ、わかった。罪歌のこと?」
「ど、どうして知ってるんですか?!あ・・・」
「あ、うん。知ってたよ、大丈夫」
「・・・誰にも知られていないと思っていたのに・・・」
「だってほら、私も池袋の中では情報通だからねー」
その情報源は主に臨也からなんだけど。
後はドタチンとか・・・ネット上でうまくシステムかいくぐってとか。
あとは、私のフィオーレで。
「あの・・・罪歌が、」
「あのね、杏里ちゃん。正直、罪歌がねシズちゃんのことどんなに愛しちゃってても私には関係ないの」
「え?」
「だって、罪歌ってそういうものって知ってるし、シズちゃんが罪歌のこと愛しちゃってるわけじゃないし」
そう。
いくら罪歌がシズちゃんのこと愛しちゃっててもシズちゃんは罪歌のこと愛しちゃってるわけじゃない。
だって、シズちゃんの家族愛以外の愛は全部ぜーんぶ私のもの!
罪歌になんて絶対にあげない!!
「だから、別にどーでもいいの。あ、でも・・・杏里ちゃんがシズちゃんのこと愛しちゃってたら殺しちゃうかもね」
「わ、私をですか?」
「んーん、シズちゃんを」
あぁ、でもシズちゃんってなかなか死なないだろうなぁー。
っていうか、私じゃ殺せないし。
シズちゃんが自分で死んでくれないとどーにもなんないね。
でもって、シズちゃんが臨也に殺されるとかもっと嫌!
「とりあえず、大丈夫。私、杏里ちゃんのこと好きだから!!」
それは、愛ではないけど。
妹みたいな、そんな感じ。
「え、あ、」
「だからね、罪歌とかシズちゃんのことを気にしないでね」
「あ、ありがとうございます・・・」
「うん。後ね、一つだけいいかな?」
「はい?」
「人を愛せないなんてことないと思うよ」
「え?」
「杏里ちゃんはまだ気づいてないだけかもしれないし、出逢ってないだけかもしれない」
「それって、どういう・・・」
「私だってね、シズちゃんとか臨也に逢ってなかったら人なんて愛せてないもん」
私が愛してるのはシズちゃんと臨也の二人だけ。
だから、もし二人に出逢ってなかったら私も杏里ちゃんと同じようなこと言ってただろうし。
「だからね、杏里ちゃんは大丈夫だよ」
私は杏里ちゃんじゃないから、杏里ちゃんが愛する人はわからないけど・・・
でも、きっと・・・
杏里ちゃんには杏里ちゃんが愛することが出来る人がきっと”わかる”はずだから。
「さん」
「ん?」
「その・・・ありがとうございます」
「この場合、どーいたしまして、でいいのかな?」
「・・・はい、恐らく・・・」
「そっか。じゃー杏里ちゃんが愛しちゃう人が見つかったら教えてね?もちろん誰にも言わないから」
「平和島さんとか折原さんにもですか?」
「もちろん。ガールズトークに男なんて絶対に入れてあげません」
「さん、私・・・罪歌のことちゃんと考えたいと思います」
「うん、大丈夫。私はね、杏里ちゃんのこと信じてるからね」
「ありがとうございます・・・」
なんて、残酷な言葉。
信じてる、なんてとても残酷な言葉だよね。
あーやっぱり、ちょっとはイラッとしちゃってるのかなぁー私。
罪歌にシズちゃんの心ちょっと動かされた所為かな。
でも、シズちゃんの心は私のものだもんね!!!
「杏里ちゃん、お礼なんて言わないでよー」
「え?でも・・・」
「そっか、それが杏里ちゃんの強さなんだね」
あーあ、私ホント大人げないなぁー。
ダメダメ。
もっと大人にならないと、ね。
「あ、あのっ・・・罪歌のこと、」
「あ、だいじょーぶ。誰にも言わないよ?」
「・・・ありがとうございます」
「いえいえ。・・・私は何もしない傍観者だから」
「え?」
「私ね、何が起きてるかは知ってるけど、基本的に黙って見てるだけなの」
「・・・でも、さんは・・・私に声をかけてくれました」
「うん、でもね。私は絶対に罪歌に斬られてなんてあげない」
「・・・・・・さんは」
「ん?」
「さんをきっと、罪歌も斬れないと思います」
「どーして?」
「さんには愛が満ち溢れているから」
「あら、それはとっても素敵な褒め言葉ね」
◇◇◇
「、斬るわ」
いつもどおり、罪歌の声を額縁の外へ。
さんを罪歌は斬るなんてできない。
だって、さんには罪歌の愛の言葉なんて届かないだろうから。
「斬ればいいじゃない。そうすればもあなたのものになる」
罪歌の甘い誘惑。
「さんはきっと斬れない」
罪歌の声は額縁の外へ。
さん。
私は本当に人を愛することなんて出来るんでしょうか。
愛することすら罪歌に依存し、寄生してる私に。
† 大丈夫、大丈夫 世界で一番強いのは、想いだよ †
(あの人に、罪歌の愛の言葉は届かない。あの人は愛に満たされているから)
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