† 戸惑いもせずに僕の腕を引っ張る彼女 †
「・・・綺麗だよ。僕のジュリエット」
そう呟いた加地くんはの前に立って一礼。
で、跪いて、手を取り・・・手の甲にキス。
二人とも劇の衣装着てるからホントに王子様とお姫様状態。
バックで女の子たちの叫び声と男の子たちのため息がこぼれてます。
「あーなんか慣れって怖い」
「えぇ?!慣れたの?!」
「うん、さすがに三度目ともなれば」
「マジですか・・・」
あたし、今のでこの展開を見るの三回目だけど・・・
全然慣れてないんですけど!!!
毎回びっくりしてる気がする・・・
てか、当事者じゃなくて第三者のほうがびっくりしてるってどうよ!!!
「まだまだだねー」
「まだまだでいいです・・・でも、可愛いー黙ってたらお姫サマに見える!!」
「サン、黙ってたらってなんですか、黙ってたらって」
「えぇーだって口を開けば・・・あ、ごめん。ってばどっちかといえば姫属性だったね」
「えぇーそんな我侭属性じゃないつもりなんだけど」
「いや、結構我侭です。てか、不可能な無理難題を押し付けてます、主に男子に」
「何、そのかぐや姫」
「あ、それがぴったり。確かに姫に例えるならかぐや姫だね」
無理難題いっぱい言って・・・
結局誰の求婚も受けずに月に帰って行くかぐや姫。
「いや、だからサン」
「僕のかぐや姫。どうか月には帰らないで」
「はいはい!加地くんも乗らないの!」
当然って感じで加地くんはまたの前に跪いて手を取りキス。
・・・てか!親友様!!
加地くんと付き合ってるわけじゃないんだよね?!
展開が激甘の急展開過ぎてあたしはどんどんついていけなくなってるんですけど!!
「ーだいじょーぶ?」
「あたしはもうついていけない・・・」
「は?」
「さっさん、加地くん。しっかり我がクラスの宣伝をして来なさい!」
「は?」
「もしかして、この格好で外に出ろってことかな?」
「えぇーそんなことしたら汚れるよー」
「大丈夫!その衣装はまだ試作品だから」
「は?」
「本番はもっと豪華になるから楽しみにしててよね!!」
「これ以上豪華に・・・」
「楽しみだね、さん」
「あはは・・・もう笑うしか・・・まぁ、家庭科部さんたちの腕の見せ所でもあるし、楽しみにしてる」
◇◇◇
「ねぇ、加地くん。私たち確実に浮いてるよね」
「うん、確実だね。でも、さんは可愛いから大丈夫」
「いや、そのフォローの意味がわかんないから」
「つまりはさんが可愛いってことだよ」
「はぁ・・・」
「相変わらず二人の世界作ってるねー」
「天羽ちゃん!」
「天羽さん!」
「ちょうどいいところに!加地くんとの約束のツーショット撮ってー」
「任せて!」
「ねぇー天羽ちゃん。普通にピースとかしてもいい?」
「あ、いいよ。あぁ、そうだ。報道部で全面に宣伝してあげるからね!」
「え、マジ?!やった!報道部の宣伝ほど効果的なものはないね!」
「ささっご両人、寄った寄った!」
「はぁーい」
「え?!さん?!」
「へ?」
とりあえず、加地くんの腕に腕を絡めて近づいてみたら・・・
加地くんはびっくりな表情。
え、なんか可笑しかったかな?
「その・・・こんな風に腕を組んでこんな近い距離なんてまだ早いよ」
「え、あ、ごめん」
・・・あれ?
跪いて手の甲にキスよりも腕組むほうが加地くん的には進んだ行為ってことですか?!
「僕こそごめん・・・でも、」
「あ、うん。よくわかんないけど気にしないでー」
「・・・ありがとう」
「天羽ちゃんー。とりあえず、ポーズ指定してー」
「はいよ!そうだなぁーやっぱり王道の手の甲にキスとかしとく?」
「だって、加地くん。オッケェー?」
「うん、もちろん」
† 戸惑いもせずに僕の腕を引っ張る彼女 †
(私的には、キスのほうが進んだ行為なんだけどなぁー、まぁ挨拶みたいなものかもしれないけど。)
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