† 隠しても閉まっても溢れ出る気持ち †
「あっ火原先輩」
「うわっちゃん?!」
「火原先輩、その反応はお約束なんですね」
「え?」
「だって、前もめちゃくちゃ反応してましたし」
「ご、ごめん!」
顔見てびっくりするなんて、ものすごい失礼だよね・・・
俺、ちゃんに悪いことしちゃった。
「あっ気にしないでくださいー。火原先輩の反応は面白くて好きですから」
「お、面白い・・・?」
「はい。ワンコみたいで」
「犬?!」
「犬じゃなくて、ワンコです」
「えっと・・・」
ごめん、ちゃん・・・
俺にはわかんないです。
「火原先輩ってホント面白いなぁ・・・」
ちゃんは可愛いと思う。
人気があるのもわかるし。
でも、俺がちゃんを見て思う可愛いとはなんか違う。
全く別物・・・それは恋だからかな。
俺がちゃんに恋をしてるから。
「火原せんぱーい?大丈夫ですかー?帰ってきてくださいー?」
「だ、大丈夫だよ!」
「なぁーに考えてたんですか?」
「えっと・・・」
「なんですかー?やましいことですかー?」
「そっそんなことないよ!」
「あはっわかってますよー!」
ちゃんには全く勝てない・・・
なんていうか、
俺、絶対に負けてる。
俺、先輩なのに・・・
「あっそうだ。火原先輩にプレゼントあげちゃう」
「へ?」
「アンジュのファッションショーのチケットです」
「え?いいの?!」
「はい、どーぞどうぞ」
「でも、アンジュのファッションショーっていっつも人気でチケットとか取れないって・・・」
「あーほら、うちがアンジュの主催だし」
「え?」
「あ、言ってませんでしたか?私の両親がアンジュのデザイナー」
「え、えぇ?!」
ちゃんの両親がアンジュのデザイナー?!
俺、アンジュの服すっごい好きなんだけど!
あ、でもこんなミーハーなこと言ったらちゃんに迷惑だよね・・・
「火原先輩ー?いらないですか?てか、アンジュに興味なかったら申し訳ない限りなんですけど」
「い、いる!俺、アンジュ好きなんだ!」
あ・・・言っちゃった。
「あっそれはどうもありがとうございます。好きって言ってもらえて嬉しいです」
・・・よかったのかな?
「あ、ちなみに今回のショーが出るんですよー」
「へ?」
ちゃんがショーに出る?
ショーっていうのは、この話の流れからするとアンジュのファッションショーで・・・
アンジュのファッションショーにちゃんが出るってこと?!
「えぇ?!」
「あはっ火原先輩ってばいい反応」
「なっなんでちゃんがアンジュのファッションショーに?!」
「そりゃ、私がにもアンジュのドレス着て欲しかったからですよー」
「・・・な、なるほど・・・」
色んな意味で納得できました。
うん、ちゃんがちゃんに着て欲しいって理由なら納得できる。
俺も観てみたいし!!
「あっそーだ。には内緒ですよ?」
「え?」
「は私が仲いい人にチケット配ってること知らないんです」
「そうなの?!」
「はい。恥ずかしがっちゃうと思うんで」
「確かに!ちゃんって結構恥ずかしがり屋サンだもんね!」
「・・・さすが火原先輩ですね。のことよく見てる」
「え?」
「なんでもないでーす、こっちの話です。あ、ちゃんと内緒にしててくださいよ?」
「うん、俺頑張るよ!」
† 隠しても閉まっても溢れ出る気持ち †
(あぁーでも俺顔に出ちゃうタイプらしいし・・・ちょっと不安になってきた・・・)
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