† 伝えたい気持ちが多すぎて、うまく言えない †
「あっ・・・香穂先輩たちが着ました」
「お待たせー!」
「ごめんねー待った?」
「んー私はたいして待ってないけど。冬海ちゃんが一番乗りだったんだよー」
「わ、私も全然待ってないです。先輩たちとご一緒できるのが嬉しくて早く着すぎてしまって・・・」
「いやー嬉しいこと言ってくれるね!」
「ホントにー!」
「でも、久しぶりだよねー。こんな風に一緒に帰るの」
「だね!」
「よし、じゃー記念に一枚」
「あ、ちょうどいいところに吉羅サーン!」
「・・・・・・」
「ちゃん、よからぬこと考えてるでしょ・・・」
てか、理事にちょうどいいところって!
あーでもちゃんだから仕方がない。
きっと、この子はあえて空気を読んでない!
「えぇーほら、みんなで記念に一枚って言ったの天羽ちゃんじゃん」
「いや、確かに言ったけど!」
「・・・と、いうわけなんでー吉羅サン写真撮ってくださーい」
「・・・はぁ、ちゃん相変わらず最強」
「へ?」
「まぁ記念にやっとこっか」
「うん!」
「天羽ちゃんと一緒に写真なんて初めてじゃない?」
「私も・・・初めてです・・・っ」
「あははっ基本的に撮る専門だからねー」
「吉羅サンーちゃんと綺麗に撮ってくださいよー」
「あ、ついでに後で吉羅さんとちゃんの写真も一枚撮らせて!」
実は、密やかに噂になってるんだよねー。
吉羅さんとちゃんって。
「だってー吉羅サン。吉羅サンがいいなら私はいーよー」
「・・・・・・仕方がない」
・・・・・・ホント、最強だよこの子。
噂の堅物凄腕理事に気に入られてるって噂だもんね!
噂の出所は金やんっていうまた面白い感じなんだけど。
◇◇◇
「で、最近どうなのよ」
「へ?」
「何が?」
「えっと・・・?」
「天羽ちゃん、そんなオブラートに包まないでー!」
「はぁ・・・この状況だと何も展開はないと見るべきか」
「あっわかった」
「私的に一番気になってるのはちゃんなんだけどね!」
「えぇー私?」
「最近話題にあがらない日はないじゃん、アンタ」
「そんなことないよー。私はいつでも日陰の女」
「どこが?!」
「それよりケーキケーキ。どれにしよっかなぁー冬海ちゃん決まった?」
「あ、はい。私はこのイチゴのケーキにします・・・っ」
先輩はとても優しい人。
人と話すのが苦手で、うまく話に入ることもできなくて・・・
でも、そんな私に先輩はいつも話しかけてくれる。
可愛くて、笑顔がとても好き。
「うんうん、イチゴ美味しそうだもんねー。私はこっちのイチゴのタルト」
「あたしはチョコレートケーキ!」
先輩もとても優しい人。
優しくて、明るくて・・・すごく羨ましい。
私の理想の女性。
私も先輩みたいになりたい。
「私はどうしよっかなぁ・・・あ、チーズケーキにしよっと」
香穂先輩もとても優しい。
香穂先輩にしかあのヴァイオリンの音は奏でることができない。
とても、綺麗で強い音色。
私の理想の音。
「天羽ちゃんは?」
「んーモンブランかな」
菜美先輩もとても優しい先輩。
強くて、かっこよくて・・・
自分というものをちゃんと持っているすごい人。
私も菜美先輩みたいに強くなりたい。
「じゃあ注文するよー」
† 伝えたい気持ちが多すぎて、うまく言えない †
(みんなみんな優しい先輩たち。大好きです)
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