† 貴方に大切なことを伝えたいんです †
「月森くーん!こっちこっちー!」
「すまない、待たせてしまっただろうか」
「ううん、全然!あたしたちも今来たトコ!」
「そうか・・・よかった」
「れーん。早く座ってよーおなかすいた」
「・・・なぜ君がそっちに座っている」
「んーだって女の子は隣同士より向かい合ってのほうが話しやすくていいの」
蓮は私とが隣同士で・・・って思ってたんだね。
甘い甘い。
女の子は隣同士より向かい合ってのほうが話しやすいっていうのは本当。
だって、隣同士だったらずっと話し込んじゃうし。
それだったら向かい合ってのほうが話がみんなで広がるからいいんです。
「・・・そういうものなのか?」
「そういうものそういうもの。そんなことより、練習どんな感じ?」
「日野のアンサンブルか?」
「そうそう。日野ちゃんのアンサンブル」
「あたし、加地くんがヴィオラでびっくりしてたんだよ!」
「俺も驚いた。でも・・・君にはヴィオラがよく似合っていると思う」
「ありがとう。ずっと憧れてたんだ、ヴィオラ」
「ヴァイオリンを包み込んでくれる優しい音色だよね」
「うんうん、そんな感じ!」
「で、つっちーとは巧くいってるわけ?蓮」
「前のコンクールみたいな対立はしてないよね!」
「加地くん、つっちーと蓮って犬猿の仲なんだよ」
「え?」
「いっつも解釈とかで対立してもう、大変大変。あ、でもつっちーと柚木先輩も対立してたか」
蓮とつっちーの対立よりも、
私的にはつっちーと柚木先輩の対立のほうが怖かったです。
なんていうか、柚木先輩がブラックオーラ全開で!
「えぇ?!土浦くんと柚木先輩も対立してたの?!」
「うん。すぐ収まったけど」
「ってさーコンクール参加者じゃなかったけど、人一倍コンクールの状況知ってたよね」
「ほら、音楽好きだし。知ってる人多かったから、聴くことも多かったし」
「いいなぁ・・・僕ももっと早くに転校して来れたらよかったよ。聴きたかったな」
「あ、コンクールの演奏ならビデオあったはずだよ」
「え?」
「何それ初耳!!月森くん知ってた?」
「いや、俺も今初めて聞いた」
「そーなんだ。金澤センセがビデオ撮ってるって言ってたよ」
「さん、ありがとう!早速金澤先生に見せてもらえるようにお願いしてみるよ」
「いえいえ。てか、そのとき私も一緒に行くー観たいし」
「あたしもちょっと観たいなぁー自分の演奏見てみたいし」
「蓮も観たい?」
「・・・少し興味はある」
「あはっ加地くん。なんか同行者が増えちゃったね」
「あっでも、金やんにお願いするのはに任せるから!!」
「え、なんで?」
「だって、ってば金やんと仲いいし!」
「まぁ仲悪いことはないか」
「あ、さん。飲み物買いに行きたいんだけど一緒に行かない?お礼に好きなの買ってあげるよ」
「えっそれはお得!行く行く!あ、と蓮は何がいい?」
「え?あたし?」
「うん、買ってきてあげちゃう」
「えっとーじゃあ、あたしはオレンジジュース!月森くんは?」
「コーヒーを」
「はい、りょーかい。じゃ、加地くん行こうー!」
◇◇◇
「は音楽科に転入するのか?」
「え?あー・・・考え中です」
「・・・そうか」
「でも、音楽を続けていきたいと思ってる。どんな形でも」
「君の音がずっと聴けるのなら俺は嬉しいと思う」
「あ、ありがとう!月森くんはやっぱり留学?」
「・・・・・・あぁ」
「そっかぁ・・・留学かぁ・・・」
すごいなぁ・・・留学かぁー。
月森くんはずっと高い位置を目指してるんだよね。
それってすごく難しくて、すごくカッコいいと思う。
「でも、月森くんがいなくなっちゃったら寂しくなるね」
「・・・ありがとう。俺も君と離れるのは・・・寂しいと思う」
「・・・・・・え?ホント?」
「・・・あぁ、俺は君が好きだから」
「・・・え、え、えぇ?!」
す、好き?!
月森くんがあたしのことを好き?!
「いつか、聞かせてほしい。君が俺のことをどう想っているか」
「え、あのっそのっ」
「・・・すまない。君を困らせるつもりはなかったのだが・・・」
「お待たせー!はい、にはオレンジジュース」
「!」
ナイスタイミング!!
てか、天の助け!!
様様!!あたしを今すぐ助けて助けて!!!
「はい、月森」
「・・・ありがとう。じゃあ、俺はこれで失礼する」
「え?」
「あっちょっと蓮ー?」
パニックになってる頭。
でも、言わなきゃ言わなきゃ、これだけは言っておかなくちゃ。
「月森くん!!」
「・・・・・・何か?」
「ありがとう!もうちょっと待ってね・・・!!」
「・・・あぁ、ありがとう」
† 貴方に大切なことを伝えたいんです †
(もう少し、あと少し時間をください)
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