† 負けるわけにはいかないから †










〜♪










「あ、」



この音だ。

さっき、先輩の携帯から流れた音色。




















◇◇◇



















「・・・誰?!」


「アンタ、さっきの電話の相手だよな?」


「え?電話・・・あ、さっきのえっと確か・・・衛藤くん?」


「そう」


「うわぁーそっか、君が衛藤くんなんだ」




なんていうか・・・

イメージどおり!!

てか、堂々としてるなぁー・・・学ランなのに。




「なぁ、さっき俺が言ったこと覚えてる?」


「え、あ・・・あたしの音に興味あるってやつ?」


「そう。生で聴いてみてやっぱり思った。俺、アンタの音色に興味があるんだ」


「あのさ、アンタじゃなくて・・・あたしの名前は


「じゃあ、な。俺のことも桐也でいいよ」


「はぁ・・・」


「あ、そーだ。折角逢えたし連絡先教えてよ」


「あ、はい」




・・・・・・なんか、流されてない?!

あたし、今絶対流されてる!!!!




「俺から送るから、赤外線で」


「あ、うん」




・・・まぁ、いっか。

も知り合いみたいだし・・・悪い人じゃなさそうだし。




「次、送って」


「は、はい!」


「・・・てか、なんで敬語なわけ?」


「いや、なんていうか・・・」


「俺、アンタより年下なんだけど」


「へ?年下?」




年下・・・?

え、マジ?

マジですか?!

いや、まぁ・・・のこと先輩とか言ってたから年下なんだろうけど!!




「あぁ」




でも、大人っぽいなぁ・・・

身長も高いし。

あたしより年上って言っても全然通じそうなのに!!




「・・・・・・?」


「あ、月森くん」


「・・・見たところ学院の生徒ではないようだな」


「月森蓮さん、だよな」


「は?」


「俺は衛藤桐也。楽器は蓮さんと同じヴァイオリン」


「衛藤くんってヴァイオリン弾くんだ!?」


「だから、桐也でいいって。俺もって呼んでるし」


「じゃ、じゃあ桐也って呼ぶね!!」




そっかぁーヴァイオリンかぁ・・・

なんか、色んな意味で親近感沸いてきた!!




「ねぇ、蓮さん。今度俺と勝負してよ」


「悪いが断らせてもらう」


「・・・・・・」


「・・・俺は失礼させてもらう。・・・、また次の機会に音を合わせて欲しい」


「あ、うん!またね!」


「ちょっと待ってよ。それなら今、合わせればいいじゃん?」


「は?」


「蓮さんとが合わせる音聴きたいし」


「・・・・・・


「な、何?」


「一曲、今から合わせてもいいだろうか」


「あっうん!何にする?」


「そうだな・・・水上の音楽 アレグロ・デチーソを」


「了解!」


「ふーん・・・水上の音楽 アレグロ・デチーソか」










〜♪










「・・・・・・ブラボー・・・」


「え?」


「いいじゃん、悪くない演奏だったよ」


「・・・いつか、君のヴァイオリンも聴いてみたい」


「また逢ったときにでも。・・・正直に言うよ、完敗だった」


「は?」


「やっぱりアンタすごいよ、蓮さん」




蓮さんのヴァイオリンの音を聴いた瞬間、負けたって思った。

俺にはあんな風にヴァイオリンを歌わせることはまだ出来ない。




「・・・でも、絶対に次は勝つ」


「・・・・・・楽しみにしている」


「・・・あと、どうやら俺は蓮さんのライバルみたいだから・・・その辺もよろしく」




















◇◇◇




















PiPiPi...





「・・・ん?メール?」




うわぁー意外な人物から来た。

さっきちょっぴりバトった相手。










To.
FROM.衛藤桐也

先輩、に逢えたから。
あと・・・さっきは言いすぎた、ごめん。
葵サンにもアンタから謝っといて。
あとさ、コンサート行くことにしたから。











「可愛いとこもあるじゃん、生意気だけど」


さん?」


「あ、加地くん。桐也が言いすぎてごめんって」


「え?衛藤くんが?」


「うん」


「・・・てか、なんでさんの携帯に衛藤くんからメールが来るの?」


「んー無理やり登録された。に教えるために」




赤外線で一瞬で。

さすが若者、携帯が違うくても赤外線通信ぱぱっとしちゃってたよ!




「僕にも教えて」


「え?」


さんの連絡先、教えて欲しいな」


「あ、うん。いーよ」


「ありがとう」


「そーだ。吉羅サンもアド教えてー在室確認のためにも」


「いいだろう」


「やった」










† 負けるわけにはいかないから †

(蓮さんがライバルなら相手にとって不足なし・・・ってやつかな。)



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送