† 誰かが支えてくれるから頑張れる †
「へぇー・・・アンサンブルコンサートかぁー」
「うわっ?!ちゃん?」
「そんなびっくりしないでくださいよー火原先輩」
てか、まずこのビラ渡してきたの火原先輩なのにー!
びっくりするなんてちょー失礼!
まぁ、私が受け取ったなんて思わなかったみたいだけど、火原先輩。
「ご、ごめん!」
「火原先輩も出るんですか?アンサンブルコンサート」
「うん、その予定!」
「へぇー・・・あ、も出るんだ」
「そうなんだ!王崎先輩からのボランティアの依頼なんだけど、初の日野ちゃんのアンサンブルなんだよー!」
「日野ちゃんも頑張るなぁー」
うん、ホントに。
あのヴァイオリンから始まって・・・そして、今に至る。
ちょっと羨ましいのは本音。
「うん、本当に!日野ちゃんが頑張ってるから俺たちも協力しようって思ったんだよ!」
「楽しみにしてますね、コンサート」
「え、ちゃん来てくれるの?!」
「そりゃ当然。てか、私が行かないほうがおかしくないですか?」
「え・・・あー確かに」
「王崎先輩もウィーンに行く前でもボランティアやってるんですねー」
「うん、さすが王崎先輩だよね」
「まぁとりあえず、楽しみにしてるんで頑張ってくださいー」
「うん、ありがと!」
◇◇◇
「ふーん・・・春のコンクールメンバー全員参加かぁー」
そりゃすごい。
でも、正直なところ・・・あのメンバーがアンサンブルっていうのが想像つかない!
どんなアンサンブルになるんだろ、楽しみー。
「よぉ、。何してんだ?」
「あ、金澤センセ」
「あー火原が配ってたビラか」
「そうなんですよー。日野ちゃんのアンサンブルコンサート」
「日野もしっかり音楽の世界へ仲間入りだなー」
「ですねー」
「しかし、あのメンバーが巧くまとまるのかねぇ・・・」
「私もそれが気になります。どーなるんですかね」
やだなぁー対立とか。
普通にありえそうだし。
春のコンクールでも解釈違いで結構対立してたし。
・・・主につっちーと蓮が。
「まぁ、お前さんも協力してやれよー」
「へ?」
「土浦と月森の対立止めるの得意だろ?」
「まぁ、慣れてますから。蓮にもつっちーにも」
「それじゃあ大いに役に立つように」
「金澤センセも協力的なんですよね?」
「まぁな。日野のアンサンブルってのも結構興味があるし」
「日野ちゃん、また風当たり強くなってなきゃいいけど」
「その辺のフォローは俺も入れるさ。後は、天羽とかも巧くやるだろ」
「報道部の効果ってすごいですもんねー」
「そうなんだよなー」
「それに、今回はしっかりコンクールメンバーが味方だし大丈夫だと思いますけどねー」
「だな」
「あ、そーだ。金澤センセ」
「何だ?」
「あの理事さん、吉羅サンなんだけど・・・マジで暇なときとか理事長室に紅茶飲みに行ってもいいのかな?」
「あーいいんじゃないか」
「そっか、じゃーいいや。暇なときに行こっと」
金澤センセがいいって言ったら大丈夫だよね!
とりあえず、吉羅サンには来ていいって言われてるし。
私的に最終確認オッケェーだし、今度行ってみよう。
「やっぱり大物だなぁー」
「へ?」
「俺の教師生活で理事長室にわざわざ紅茶を飲みに行く人間は初めてだ」
「そーいうもんですかねぇー?」
「・・・まぁ、吉羅があんなこと言い出したのも初めて聞いたんだがな」
「そーなんですか?」
「あぁ」
「そっかー。吉羅サン、紅茶入れるの上手なのに勿体無い」
「まぁ、あれだ。気に入ったんなら相手してやれ」
「あははっ金澤センセがしっかり先輩っぽいー」
「ははっまぁ先輩だからなー」
「てか、私たちにとっても先輩ですよねー」
「先輩は敬えよー」
「気が向いたら敬わせていただきまーす」
† 誰かが支えてくれるから頑張れる †
(実は私、金澤センセのこと結構尊敬してるんですー!)
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