† 貴女に勝てる人を見て見たいものだ †










「はい、ちゃん。明日配布予定の校内新聞」


「うわぁー・・・ホントに撮られてたんだ」


「なかなかの出来じゃない?天羽菜美の自信作さ!」




そう、見出しにもしたけど・・・

まるで、王子様とお姫様。

柚木さんとのツーショットも何回か撮ったことあるけど、この形容は加地くんとちゃんにぴったり!

いやぁー明日、この新聞見て泣く男子を何人見ることになるか。

あ、男子だけじゃなく女子もか。




「てか、私ってお姫サマじゃないんだけど」


「いや、姫タイプだって。アンタは」


「そこまで我侭じゃないもーん」


「あははっアンタの姫のイメージは我侭か」


「うん、我侭。ちょー我侭・・・へぇー加地くんって日野ちゃんの音に惹かれて転入してきたんだ」


「そうそう、早速インタビューしたらそう返ってきてさー。しかも、サラッと」


「すごいねぇー。国立大付属高から私立の高校に転入だなんて」


「だよねー。あ、ちなみにちゃんとの関係も聞いたんだけどさー答えてくれなかったよ」


「あ、そーなんだ」


「しかも、ちゃんが思い出すまでは何も話さないってさ」


「うわぁーそれは頑張らなきゃ」


「報道部のためにも頼むよー!」


「あはっ頑張る」


「じゃ、明日覚悟してなよー!」


「うわぁーなんか死刑宣告された気分」


「あははっまぁ呼び出しとかは行かないようにしなよ!」


「でもさー結構好奇心で行きたくなっちゃわない?」


「アンタねぇ・・・まぁこれを記事にした私も悪いんだけど」


「イヤイヤ、天羽ちゃんは悪くないよ?写真もうまく撮ってくれてるし」




ちゃんはホントいい友達。

インタビューはなかなか受けてくれない一筋縄じゃないかない子だけどね!!




「あ、もうこんな時間」


「時間取らせて悪かったね」


「んーん、どーせ待ち合わせ蓮だし」


「は?」


「蓮なら何時間でも待っててくれるし」


「うわぁー・・・なんかすごい幼馴染関係を見たような気がするよ」




あの月森くんが何時間も待ってる姿なんて想像できない・・・!

眉間に皺たっぷり寄せて帰っていく姿のほうが想像できるんだけど!!!




「まぁ何時間も待たせたことないんだけどね。せいぜい10分くらい」


「アンタ、ホントに月森くんの幼馴染なんだね・・・」


「うん、かれこれもう16年くらいになるかなー。ずっとあの音色に包まれて生きてきたから」


「そりゃすごいわ。素人の私から見ても月森くんってずば抜けて巧いし」


「学院は巧い人多いよ、ホントに。音楽好きな人多いし」


「コンクール効果で普通科の人たちも音楽に興味持ち出したみたいだしね」


「そうそう。さすが、妖精の祝福を受けてる学校だよねー」


「あぁ、それ。作り話かと思ってたんだけど、信じたくなっちゃうよねー」


「・・・多分、作り話じゃないよ」


「え?」


「だって、ほら・・・正門前に銅像あるし」


「確かに。作り話だったらなかなか銅像までは作らないだろうね。・・・あ!」


「ん?」


「そんなことより!アンタ、今日の昼休み理事長室に呼び出されてなかった?」


「呼び出された呼び出された。まさかの理事長・・・あ、違う理事様に呼び出された」


「なんでまた・・・」


「今日の始業式、ばっちり金澤センセの横で寝てた所為」


「は?」


「しかも、理事様ってば金澤センセの知り合いっぽくてさー。だから、直々に呼び出されて紅茶ご馳走になったー」


「おかげで、昼休みカフェテリアに行ったらちゃんと火原さんしかいなくてさ」


「あ、柚木先輩もいなかったんだ」


「ほら、ちゃんと火原さんの写真」


「ホントだー柚木先輩いない。まぁ柚木先輩だしなー火原先輩の恋のキューピットだね」










† 貴女に勝てる人を見て見たいものだ †

(多分、この学院で最強はちゃんだろうなぁ・・・本人は無自覚だけど。)



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