† これっていわゆる呼び出しですか…? †










「あのーなんで私、理事長室に呼び出されてるんでしょーか?」




とりあえず、さすがに理事長室に呼び出されるようなことはしてないはず。

・・・多分。




「かけなさい」


「あ、はい」


「紅茶かコーヒーか好きなほうを選ぶといい」


「あ、じゃあ紅茶で」




・・・なんか、おかしい!

おかしすぎる。

いきなり呼び出されて、紅茶?!

・・・・・・あれですか。

刑事ドラマとかでよくあるカツ丼?の代わりに紅茶とか?




「少し熱めに淹れてある、気をつけなさい」


「あ、はい。いただきまーす・・・」




・・・・・・うん。

普通に美味しい。

さすが理事長室の紅茶。




「あのー理事長サン」


「私は理事だ」


「へ?」


「まだ理事長に就任してはいない」


「はぁ・・・じゃあ、なんて呼べばいいんですかねぇ?」


「私は吉羅暁彦だ」


「あ、ご丁寧にどうも。です」




あ、でも呼び出されたとき名前呼ばれてたや。

とりあえず、吉羅サンかー。

あーそういえば、眠たさMAXのときに自己紹介してた気がする。

眠気眼でボケぇーっと一瞬見た覚えだけある。

まさか、寝てたから呼び出されたんだったりして?





コンコン。





「吉羅、入いんぞ」


「金澤さん」


「あ、金澤センセ」


「はぁーやっぱりあの放送はお前さんか」


「えぇー金澤センセも私が呼び出された理由わかってたりですか?」


「お前さんが俺の隣で寝てたのが悪かったんだろうな」


「あーなるほど。確かに金澤センセの隣とつっちーだけが隣とでは目立ち度合いが違いますねー」


「土浦は土浦で目立つけどなー」


「でも、金澤センセほど知名度は・・・あぁーでもコンクール参加者だった、つっちー」




目立つね。

音楽科にも普通科にも・・・とりあえず顔は割れてるはず。

って、そう考えたら私の周りってほとんどそんな感じじゃーん。




「あー吉羅。コイツも寝てたのには悪気はないんだぜ」


「・・・・・・」


「ねぇ、金澤センセ。私、マジで寝てたから呼び出されたんですか」


「あぁ、恐らくな」


「うわぁー」




マジですか。

てか、私以外にも絶対寝てた人いるはずなのにー。

あーでも、私より目立つ位置で寝てた人がいないってことか。




くん」


「あ、はい?」


「君は授業中もあのような感じなのか?」


「んー授業中は真面目だと思ってますけど」


「まぁは真面目な生徒だよなー。他の先生方からも悪い話は聞かないし」


「・・・そうか。それならばよろしい」


「はぁ、」


「では、紅茶を飲んで教室に戻るといい」


「あ、はーい。あぁ、そうだ。吉羅サンのそのスーツってアンジュのですよね?」


「・・・あぁ、そうだが?」


「とっても似合ってますねー」




アンジュのスーツをここまで着こなしてる人初めて見たかも!

そりゃ、モデルさんはプロだからしっかり着こなしてくれちゃってるけど・・・

普通に、スーツをこんなに着こなしてる人は初めてな気がする!

まぁ・・・アンジュのスーツ着てる人を見ることが少ないんだけど。




「・・・君は紅茶は好きかね?」


「大好き」


「ならばいつでもここに来るといい。自慢じゃないが紅茶の種類は多いはずだ」


「は?」


「おいおい、吉羅。まさか・・・」


「どうやら・・・私は君のことを気に入ったらしい」


「あ、それはどーも、ありがとうございますー」




理事長・・・じゃない。

理事さんに気に入られるなんてすごくない?!

あとでと蓮に自慢しよっと!




・・・まぁ、頑張れよ」


「え、なんでそんな哀れんだ顔するんですか?!」


「吉羅は結構厄介な奴だからなー」


「え、マジですか」


「まぁお前さんなら大丈夫だろ」


「いったい何を根拠に・・・」


「お前さんの周りも結構厄介な奴が多いからなぁー」


「うわぁーそれは否定できない」


「まぁ俺からしちゃーお前さんが一番厄介だけどな」


「えぇーそんなことはいはずですよー。私より蓮のほうがよっぽど厄介ですー」




蓮ってばツンデレだし。

普段ツンツンなのに、デレる相手にはとことんデレ。

まぁ、ほとんどの人にはわかんないんだろうけど。




「月森はまだ可愛いもんだろ。アイツよりもお前さんのほうがわからないことが多い」


「あ、それはよく言われる。つっちーもそんなこと言ってた」


「そーかそーか。お、そんなことより


「はい?」


「昼休み終わるまで後5分だぞー」


「え、マジですか?うわぁー・・・間に合うかな」


「いや、ここから教室までなら間に合うだろー」


「でも、ほらー次体育なんですよねー。吉羅サンに呼び出されたって言ってもいいですかねぇ?」


「私は構わないが」


「あ、じゃーのんびり帰ります」


「お前さんなぁー」


「だってあんまり得意じゃないんですよー体育」


「若人は若人らしく頑張って来い」


「あははっはぁーい。吉羅サン、紅茶ご馳走様でしたー」










† これっていわゆる呼び出しですか…? †

(なんか面白い人だったなぁー吉羅サンって。アンジュのスーツもよく似合ってたし!)



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