† 君の笑顔が一番の栄養剤 †
「あっ火原先輩!柚木先輩!お待たせしました!」
「遅れてごめんなさい」
「ううん、全然いいよ!って言うか、俺たちも今来たとこだし!」
「気にしないでね、さん」
「あれー?柚木先輩、私は気にしろってことですかねぇ?」
「もちろんさんも気にしないでね」
「大丈夫でーす。気にしてませんから」
だぁ!!!
なんで、ってばこんなに強気なの?!
あの、柚木先輩相手に!!!
「そういえば、四人でランチなんて初めてだよね!」
「確かにそうですよねー。てか、あたし、柚木先輩とランチ自体初めてです」
火原先輩とは何回か一緒にランチとかしたことあるけど。
帰りにケーキ食べに行ったこともあるし。
でも、柚木先輩は初めて!
・・・てか、とか火原先輩がいなかったら親衛隊が怖くて近づけない!
一緒のコンクールに出場したのに!!
「そうだね。じゃあ、これを機に仲良くしてくれると嬉しいな」
「え、あ、はい」
・・・・・・近くで見るとやっぱりすごい!
柚木先輩の爽やかスマイルーーー!!!
攻撃力と破壊力が抜群。
・・・って!その破壊力感じてるのあたしだけ?!
「どーしたの?」
「・・・まぁ、免疫もついてるよね」
「何が?」
「んーん、こっちの話」
コンクールに一緒に出場したあたしよりのほうが柚木先輩と絡んでたのも確かだし。
てか、なんだかんだいって一年のときから柚木先輩と知り合いみたいだったし。
あたしはというとあんまり柚木先輩と合奏とかしてないし。
柚木先輩のフルートの音色好きなんだけどなぁー。
てか、コンクール参加者みんなの音色が大好き!
「2−3 、今すぐ理事長室に来なさい」
「・・・・・・は?」
「・・・何したわけ?」
「いや、そんなの私が聞きたいよ」
「しかも職員室じゃなくて理事長室って!!」
「ねぇー理事長室ってどこ?って感じ」
あたしの親友様は・・・とうとう、理事長室に呼ばれました。
なんていうか・・・うん、頑張れ。
「・・・よし、まぁ今までにない経験だし。さくっと行って来る」
「頑張れ!」
「・・・と、言うことで、短いランチの時間をありがとうございました。先輩方」
「ううん!気にしないで!」
「理事長室まで一緒に行こうか?」
「謹んでお断りいたしますー」
「気にしなくていいよ。君と僕との仲じゃない」
「うわぁーそのちょー意味深発言やめてくださいー」
うわっうわっ!
!
睨んでるよ、柚木先輩の親衛隊が!!!
「とりあえず、着かなかったら着かなかったで」
「え、それ拙いんじゃ」
「大丈夫大丈夫。多分、理事長室に呼ばれるような悪いことはしてないはずだし!」
「それはそうなんだけど・・・現に呼び出されてるじゃん」
「まぁ意味わかんないし、話だけ聞いてくるーで、やばくなったら逃げる」
「頑張れとしか言えないや」
「あはっ十分十分。応援してやって、親友様」
◇◇◇
「じゃあ、僕も行くね」
「え?柚木?」
「火原、頑張って」
「なっゆ、柚木?」
何言ってんだよーーー!!!
しかも、ちゃんの前で!!!
「またね、さん」
「あ、はい」
あぁーーー!!!
もう、ちゃんが気づいたらどうするんだよ!俺の気持ち!!!
まだ、告白もしてないのに。
「火原先輩、どうしたんですか?」
「え、う、ううん!なんでもないよ!!」
「あ、そうだ。火原先輩、今日の放課後暇ですか?」
「う、うん!」
「じゃあ、ぜひ一緒に合わせて下さい。明るめな曲を!」
「もちろん!明るめの曲かーうーん・・・あ、ガヴォットとかどう?」
「いいですね!大賛成です!」
・・・あぁ、やっぱり俺、好きだな。
ちゃんのことが。
この笑顔、ずっと見ていたいって思う。
† 君の笑顔が一番の栄養剤 †
(ちゃんの笑った顔が好きだよ、大好きだよ!)
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