† それは祈りのようなキスで †
「おはよー」
「あ、。おはよー」
「朝から柚木先輩の車で登校とは豪華だねー」
「いやー遅刻しそうになって。ちょうど通りかかった柚木先輩の車発見でしっかり楽させてもらったー」
「・・・なんか、色んな意味でって大物だよね」
「いや、私は一般人ですよ?」
「どこが?!」
「えーだって、ほら、ねぇ?」
「ねぇ?って言われてもわかんないから!!!」
「それよりさー今日の呼び出しほぼ確定なんだけど、逃げ切れるルートない?」
「あー・・・確かに。天羽ちゃんにでも聞いてみたら?」
「あ、そっか。持つべきものは情報通の友達だねー」
「ほら、噂をすれば天羽ちゃん」
「おはよーお二人さん」
「おはよ、天羽ちゃん。早速なんだけど、柚木様親衛隊から逃げ切るルート教えて」
「は?あーなるほど。今日、柚木サンの車で登校してたもんねーアンタ」
「そう、だから・・・まだ命は大切なんで」
「思い切って柚木サンとランチでもしたら?」
「は?」
「ほら、そうすれば親衛隊も迂闊には近づいてこれないだろうし」
「あーなるほど、その手があったか。よし、、火原先輩と四人でランチしよう」
「は?」
「うん、それは豪華な組み合わせ。カフェテリアでぜひよろしく」
「いや、ちょっと待とうよ、」
「ん?」
「あたしはともかく火原先輩まで巻き込んだら悪いじゃん!!!」
「えー別にいいんじゃない?」
火原先輩ってば、のこと大好きだし。
一緒にランチーって言えば喜んできてくれちゃうと思うけどなぁー。
それこそ、尻尾振って。
「もうーってば自己中ー!!」
「えーだってほら、自分の命は大切にしたいっていうかー」
それに、ほら、ちょっぴり恋のお手伝いだし?
ってば鈍感だから全然火原先輩の気持ちにも気づいてないっぽいし。
あと、蓮の気持ちにも。
あー幼馴染としては蓮の応援もしたいんだけどなぁー・・・
でも、今は自分が可愛いです、ごめんね、蓮。
「あーもう、わかったよー。ランチねランチ」
「ありがと、」
「柚木先輩と火原先輩にちゃんと連絡しておいてよー」
「んー火原先輩に連絡は任せた。てか、私は火原先輩の連絡先知らないし」
「え?知らないの?!」
「うん」
「あーでもそっか。あたしも柚木先輩の連絡先知らないや」
「ほら一緒。あ、天羽ちゃんも一緒にランチする?」
「いや、今回は遠慮しとくよ。あ、でも写真だけは撮りにいくから」
「なんか忙しい?」
「まぁね」
「面白い話題だったら教えて教えて」
「なんと、今日普通科に転入生が来るんだよ!しかも噂によると美青年!」
「おーそれは面白い話題」
「どこのクラスに来るの?」
「あーアンタたちのクラスだよ」
「やったー!美青年を生で見れる!」
「おはよう」
「へ?」
「お、おはよう?」
「誰?」
普通科の制服。
赤いタイ。
つまり、同じ学年の・・・はず。
だけど、私は彼のことなんて知らないし見たことない。
疑問符たっぷり浮かべてるの様子からしても知らないと見た。
「・・・本当に逢えるとは思わなかった」
「えっとー?」
「君に、ずっと逢いたかったんだ」
そう言って、金髪の彼は・・・
跪いて私の手の甲にキスをした。
「は、はぃ?!」
「じゃあ、またね」
そして、何事もなかったように歩いていった。
「?!知り合い?!」
「いや、さっぱり」
「いやーいい写真が撮れたよ!!明日の校内新聞楽しみにしててよね」
「てか、もしかして・・・今のが噂の転入生?」
「え?」
「だって、見たことない人だし」
「あー確かに!って、なんでその噂の転入生がのこと知ってるわけ?!」
「いや、それを私に聞かれても困るんだけどー。とりあえず、天羽ちゃんーインタビューで聞いといてよー」
「ははっ了解!この天羽菜美に任せなさい!」
「うん、任せるー」
「・・・なんていうか、ってやっぱり一般人じゃないと思う」
† それは祈りのようなキスで †
(ホント誰だったんだろー?あんな美青年、一度見たら忘れるはずないんだけどなぁー。)
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