† ダイヤだって、君の輝きには敵わない †
「部外者はっけーん」
「ゲッ」
「って、桐也?」
「なんでいんだよ、」
「いや、だって私ってば星奏学院の生徒」
「はぁ?前に女子高通ってたじゃん。お嬢様」
嫌味っぽく、お嬢様なんて言ってもたいして効果なし。
そういう女だ、このという女は。
「星奏行きたくなったし」
「・・・・・・」
「で、何してたわけ?・・・ん?練習室使ってるの香穂ちゃんじゃん」
「友達?」
「ん、大好き」
「ふーん」
なるほどな。
結構仲良い相手とみた。
コイツ、よほど好きな相手じゃないと大好き、なんて言わないし。
「何?香穂ちゃんの音気に入ったの?」
「まさか」
「何でよ」
「だってまだまだじゃん」
「香穂ちゃんのヴァイオリンなめんな!」
「いや、別になめてるわけじゃねぇーけど」
「そりゃ、桐也とはまた違うと思うよ。香穂ちゃんの音は」
「あぁ。それこそ音色は人それぞれだからな」
「あれ?さん・・・に、衛藤くん?」
「葵サン。久しぶりじゃん」
「え、二人とも知り合いだったの?」
「同じヴァイオリン教室だったんだよ」
「へぇー・・・」
「ヴァイオリン辞めたんだって?」
「・・・・・・」
「賢明な判断じゃん」
「・・・・・・ッ」
「痛てぇッ!!」
俺の脚に蹴りを入れてきたのは。
めちゃくちゃ怒ってるし。
「加地くんに謝んなさい!!」
「は?なんで?」
「あーのーね!」
「さん。大丈夫だよ」
「加地くん?」
「彼の言うことはもっともなことだし」
「・・・桐也」
「何?」
「バーカ」
「なっ?!」
「バカバカバーカ」
「なんだよそれ」
「一回、加地くんのヴィオラ聴いてみなよ」
「へぇー・・・葵サン、ヴィオラやってるんだ」
「あ、・・・うん」
「じゃあ機会があったら一回聴かせてよ」
「もうすぐコンサートあるんだよ、香穂ちゃんの」
「・・・あぁ、さっきの練習室の子か」
「一緒に聴きに行こうよ、桐也」
「いつ?」
「・・・来週の土曜日だよ」
「ふーん・・・まぁ、来週の土曜は暇だし付き合ってやってもいいけど」
興味あるっちゃーあるし。
確か、暁彦サンも行くとか言ってたし。
「よし決まり!」
「じゃあ、俺帰るわ」
「てか、何しに来たわけ?」
「呼ばれたんだよ、暁彦サンに」
「なんで吉羅サン?てか、知り合い?」
「従兄弟」
「・・・それ、初耳なんだけど」
「今初めて言ったし」
「とりあえず、部外者だけど部外者じゃなかったんだね」
「まぁな。じゃあ、またなー」
「うん。土曜日忘れないようにねー!てか、私を迎えに来てよねー」
「はぁ?なんでだよ」
「え、だって一緒に行くんでしょ?」
あぁ、そうだ、忘れてた。
この女は我侭お嬢様だった。
「はいはい、わかった。わかったよ」
◇◇◇
「さんと衛藤くんって知り合いだったんだね」
「うん。よく遊んでたんだーゲーセンとかで。まさか、吉羅サンの従兄弟だとは思わなかったけど」
「え?ゲーセン?」
「学校帰りの寄り道でよく遊んでたー。中学時代」
「そ、そうなんだ・・・」
「あ、加地くん・・・その、桐也がごめんね」
「ふふっさんが謝ることじゃないよ?」
「私ね、加地くんのヴィオラ大好きだよ」
「ありがとう、さん」
† ダイヤだって、君の輝きには敵わない †
(・・・葵サンにガン見されたんだけど、気にしないでおくべきだよな?)
SEO
掲示板
[PR]
爆速!無料ブログ
無料ホームページ開設
無料ライブ放送