† 笑う君は昔のままで、あの日に帰ったのかと錯覚してしまった †










「あ」


「・・・・・・」




睨まれてる!

私、悪いことしてないのに!!

おかあさまーなんか私、睨まれてるよーーー!!!




「お久しぶりね、吉羅くん」


「はい、お久しぶりです」




吉羅サン、ちょー笑顔!

写メって菜美ちゃんに売ろうかな!

っていうか、知り合い?!えぇー?!




「あのー二人は知り合いなんですかー?」


「あら、覚えていないの?」


「ハイ?」


「よく遊んでもらっていたじゃない」


「・・・・・・は?」




誰に?!

いや、この展開だと・・・吉羅サンに。

私が遊んでもらってた?!

マジですか?!

小さい頃遊んでもらったのは土浦家の兄弟のイメージが強いんですけど!!!




「暁彦お兄ちゃん、暁彦お兄ちゃんってずっと後を追いかけてたじゃない」


「・・・ちょっと待って、思い出す。暁彦お兄ちゃんね・・・」




頑張れ、私。

思い出させ・・・出せ・・・

暁彦お兄ちゃん・・・暁彦お兄ちゃん・・・

あぁーーーー!!!




「思い出した!!嘘ぉー!!えぇー吉羅サン=暁彦お兄ちゃん?!!」




小さい頃、両親がいない日によく遊んでくれてたお兄さんが・・・

今、学校の理事長様でした。

そーいえば、昔は土日とか梁ちゃん家にお邪魔してなかったんだよねー。

で、両親がいない日に私の遊び相手になってくれてたお兄さんが吉羅サン。

・・・・・・あー確かに、うん、あの時のお兄様だわ。

もうちょっと表情柔らかかったけどね!!!




「いやぁーもう、なんていうか色々スミマセン」


「いや、私も・・・正直、学院で逢った時には確信を持てなかった」


「え?」


「・・・・・・女性は変わるものだな」


「ふふっってばこんなに小さかったものね」


「いや、もうちょっと大きかったって信じてる」


「いつも吉羅くんを困らせていたものね。ロイヤルミルクティーをせがんで、ピアノをせがんで」


「うわぁーなんかそれは想像が非常に出来る」




あーどんどん記憶が鮮明になってきた・・・

今度アルバムでも引っ張り出してこよう。

色々後悔すると思うけど。




「・・・


「な、なんですかー?」




なんか、ドキッとしたよ!!!

昔呼ばれてたはずなのに!!!

最近はくんって呼ばれることに慣れてたもん!!!




「・・・いや、なんでもない」


「左様ですか」


、吉羅くんを独占しすぎていては迷惑になってしまうわよ」


「はいはい、暁彦お兄ちゃんまたねー。また理事長室遊びに行くからー」




逃げるが勝ち!

ついでに、言うが勝ち!仕返し完了!

ご飯食べよう。

うん、そうしよう。





















◇◇◇




















さん!」


「うわぁ?!あ、加地くん」


「本当にさんがいた」


「ん?」


「天羽さんが言ってたんだ、今日のパーティーにさんが出席してるって」


「へー流石菜美ちゃん。情報通ー」




まさかパーティーのことまで知ってるなんて・・・

うん、やっぱりすごいね!!

さすが菜美ちゃん。




「だね。・・・さん、今すごく言いたいことあるんだけどいい?」


「んー?」


「ドレス、すごく素敵だよ。さんによく似合ってる」


「ありがと」


「葵」


「あ、父さん」


「そちらのお嬢さんは・・・」




加地くん父美形!

流石加地くん父!




さん。同じ学校なんだ」


さんのところのお嬢さんか」


「はい、です、いつも両親がお世話になってます。私自身も葵くんにはすごくお世話になってます」




何も間違ってない!

加地くんにはお世話になってるし!!




さんが自慢するお嬢さんのわけだね」


「あ、ありがとうございます」




ごめんなさい。

私ってば全然自慢の娘じゃないです。




「これからも葵と仲良くしてやって欲しい」


「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします」


「それじゃあ失礼するよ。葵もゆっくりしてなさい」


「ありがとう、父さん」




加地くん父は非常に美形な方でした。

さすが加地遺伝子!!!




「いきなり父がごめんね、さん」


「んーん。あ、そうそうなんだか面白い事実が判明したんだよー」




とりあえず、加地くんに言ってみよう。

私がさっき滅茶苦茶ビックリしたこと。

そして、是非私みたいにビックリして欲しいです。




「え?」


「私、吉羅サンと知り合いだった」


「え?吉羅サンって・・・吉羅理事長?」


「うん、吉羅暁彦理事長様」


「えっと・・・どういう知り合いだったの?」


「暁彦お兄ちゃんって呼ぶほどの知り合いでしたー」


「・・・・・・」


「ビックリした?」


「うん、すごく。なんていうか・・・お兄ちゃんか・・・」




よし、ビックリさせるの成功ー!

いやー加地くん期待を裏切らないでくれてありがとう!




「なんかねー昔、まだうちの両親が仕事を日本基盤にしてた頃ねーよく遊んでもらってたらしい」


「あ、そういえば財閥って日本にも子会社いっぱいあるもんね」


「うん。今は海外基盤なんだけどねー」


「そっか・・・吉羅理事長が羨ましいな」


「え?」


「だって、僕が知らない小さい頃のさんのこと知ってるんだもん」










† 笑う君は昔のままで、あの日に帰ったのかと錯覚してしまった †

(いやぁーまさかまさかのあのときの暁彦お兄ちゃんが吉羅サンだったなんてねー!!)



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