† 向日葵のように明るく笑う顔が印象的だった †
「くん」
「私に幻聴は聴こえませーん」
聴こえない振り聴こえない振り。
なんか、吉羅サンめっちゃ怒ってるような気がするし!
振り向いたら負け。
私は負けたくない!
「くん」
「うわっ!!?」
な、なんか引っ張られた!!!
てか、捕まった・・・!!
「き、吉羅サンっ御機嫌ようっ!」
よし、逃げる。
さぁ逃げよう。
逃げなきゃ私の負けです、逃げきれたら私の勝ちです。
「待ちたまえ」
「待ちませーん!」
だって、吉羅サンの手には明らかに校内新聞。
絶対、今日天羽ちゃんが配ってたやつ。
私が提供した吉羅サンのお昼寝写真が載ってるやつ・・・!
つまり・・・怒られること絶対。
「・・・よし、先手必勝!ゴメンナサイ!」
「な・・・」
よし、勝った!
吉羅サンきょとんとしてるし。
流石に今写真撮ったら本気で怒られそうだから止めておこう、うん。
「くん、この写真はどういうことか説明してもらおう」
「この前理事長室に行ったら吉羅サン寝てたし」
「私だって眠るときくらいある」
「いや、それはそうですけどー」
寝ないほうが珍しいです。
てか、もし吉羅サンが寝てなかったら私としてはビックリです。
「というか、普通寝ている人間の写真は撮らないだろう」
「いや、撮ります。少なくとも菜美ちゃんだったら喜んで撮ります」
菜美ちゃんなら絶対撮るね!
だって、菜美ちゃんいろんな写真撮ってるもん!!!
私だって何枚撮られたか・・・!!!
「・・・・・・」
「おー吉羅に。何してんだ?」
「あ、紘センセ!」
「・・・金澤さん・・・」
「あ、そー言えば。見たぞー校内新聞」
「紘センセ!折角紘センセ登場で話がずれると思ったのにーー!!」
「ははっそれは悪かった悪かった。しっかし、見事な写真だよなぁー」
「そりゃ、私の自信作ですから!」
てか、なんで写真撮ったの私だってばれてるんだろ?!
菜美ちゃん、提供が私だなんて一言も書いてなかったし!!!
「吉羅サン吉羅サン。なんで写真撮ったの私だってわかったんですか?」
菜美ちゃんは絶対に情報ソースは明かさないし!
そもそも、吉羅サンが菜美ちゃんにそんな質問するはずない!・・・と思う。
「君くらいしかいないだろう」
「あ、そーですか」
「それに君には前科がある」
あ、そういえば。
マドレーヌの時写真撮ろうとしたことあった・・・!!
そして、撮った写真はしっかり吉羅サンに消された!!
「納得しましたー。っというわけで、授業なんで行きますー」
「おー。廊下は走るなよー」
「はぁーい」
◇◇◇
「ははっ吉羅もしてやられたなぁー」
「笑い事じゃないですよ、金澤さん」
「しかし、お前もに甘いなぁー」
「・・・・・・懐かしくてつい」
「は?」
「それより金澤さん、授業始まりますよ」
「うわっ拙い!じゃあな、吉羅!!」
† 向日葵のように明るく笑う顔が印象的だった †
(甘いといえば甘いのかもしれない、ただ、自分に笑いかける幼い少女が懐かしくて。)
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