† 誰かがいつも音楽を奏でている †










〜♪





あ・・・すごく綺麗。

ヴァイオリンとヴィオラ。

香穂ちゃんと加地くんが合わせてる・・・・・・




「すごく、綺麗・・・」




心の中があったかくなる感じ。

すごく、優しい音色。




「香穂ちゃん!加地くん!」


!」


さん!」


「すごく、綺麗だった!」


「ありがとう、


「・・・・・・ありがとう」


「あ、そうそう!火原先輩が正門の前で待ってたよー?」


「え?!あ!もうこんな時間!!」




あ、やっぱり火原先輩の待ち合わせの相手は香穂ちゃんだったんだね!

うん!私、間違ってなかった!




「加地くん、合わせてくれてありがとうね!」


「こちらこそ、日野さんの音色を聴かせてくれてありがとう」


!教えてくれてありがと!二人ともまた明日ねー!」


「うん、バイバイ。香穂ちゃん」


「さよなら、日野さん」


「あ、加地くん。一緒に帰らない?」


「もちろん、喜んで」




















◇◇◇






















「さっきね、香穂ちゃんの音すごく綺麗に聴こえたの」


「うん、日野さんの音はいつも綺麗だよね」




僕なんかが合わせるなんて申し訳ないくらいに。

さんは日野さんの音色が大好きなのに・・・

それを僕が壊してしまってるんじゃないかって思ってしまう。




「うん、香穂ちゃんの音色大好き。でもね、今日は特別に綺麗に聴こえたの」


「え?」


「香穂ちゃんの音色どうして綺麗に聴こえたのかなぁーって、考えてみたの」




少し先を行くさんが振り返ったと思ったら・・・




「私はね、加地くんのヴィオラが香穂ちゃんの音を優しく包んでくれてるからだって思う」


「え?」


「加地くんのヴィオラの音色と、香穂ちゃんのヴァイオリンの音色がすごく綺麗にハモってたの」


「僕のヴィオラの音と日野さんのヴァイオリンの音が・・・?」


「うん!すっごく綺麗にハモってた!」




そんな言葉をくれた。




「私ね、加地くんの音大好き!」


「・・・ありが、とう」




あぁ・・・どうしよう。

僕に向けられた言葉がすごく嬉しくて・・・

僕に向けられた笑顔がすごく嬉しくて・・・

うまく言葉が紡げない。




「ありがとう、さん」


「んー?どうしてありがとう?」


「君の言葉がすごく嬉しいから」


「嬉しい?」


「うん。すごく、ね」


「うん、加地くんが嬉しいと私も嬉しいよ」



本当にどうしよう。

君のことがますます愛しくなってしまう・・・










† 誰かがいつも音楽を奏でている †

(僕はいつでも君のためにヴィオラを弾くよ、君が笑ってくれるのなら・・・ね。)





原案:如是姫様。



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